第2鉄 〜「夢かもめ」と鞍馬・男山・生駒ケーブルカー巡り〜  前編


9月7日(金) ちょっぴり眠い夜明けまえです...

もう9月だね。夏休みもとうに終わって、街も普段のリズムに戻りつつある時期なのだが、手元には、こないだ、名古屋行に使った18きっぷが2枚も余ってる。2枚か...どこに行こうかな。でも首都圏じゃ、そんなに行きたいとこないんだよね。じゃ、いっそのこと、神戸の地下鉄の海岸線に行ってみたらって、思いつく。2枚あるんだもんね。余裕でいけるじゃん。ということで、突然、神戸行きが決定する。最近、なぜか、思いつきの鉄が増えてきたなあ...。でも思いつきの鉄で困るのは、計画が1週間前とかなので、ムーンライトながらの指定券とかが取れないこと。今回も御多分にもれず、GETできず。すでに9月になっているので、品川発の臨時快速大垣行もないしね。仕方ない、始発で行くか。そんなわけで、またまた金曜日に有給休暇を貰って、鉄へ行く!仕事の方は最近ちょっとさぼりぐせがついてます。(汗)。当日は東京発5時20分の始発に新橋から乗るために、4時15分起床。昨晩、早寝しなきゃと思いつつも結局12時過ぎまで起きていたので、睡眠時間は4時間。眠くて起きられないはずなのに、遊びに行くときってなぜか、すんなり起きれるもんだから不思議なも のだ。あと2週間あまりで、秋分を迎えるこの季節。まだ外は真っ暗だ。5時前、ようやく、空が紺色になりかけてきたころ家を出る。

373系 各駅停車 (熱海駅) 伊豆急1000系とツーショット!

そろそろ明るくなりかけてきた頃に、東京5時20分発始発の静岡行に新橋から乗車する。乗る直前に気が付いたが、この列車ってもしかして、ムーンライトながらの折り返しだったりするから373系?って淡い期待を抱いて、列車の進入方向を眺めていたら、見事的中。ムーンライトながら流れの9両編成が到着した。ラッキー。ただで特急形に乗れるよ。しかも静岡まで。車内は始発列車というのに、比較的乗車率が高い、早朝特有の日雇労働者が多数を占めているが、といっても、新橋から乗っても余裕で窓際に座れるくらいなのだが、ガラガラかと思っていたわりには、意外と乗っていたので、少々驚く。列車は品川、川崎、横浜と各駅でこまめに客を拾ってゆくが、逆に降りる人はほとんどいない。駅に停車するごとに、車掌が「この電車は短い9両編成のためグリーン車は連結されておりません。」と案内するが、普通車でも、特急型のリクライニングシートなんで、グリーン席の必要は感じられないが、一応、決まりごとなのだろう。列車は時間がたつにつれ、混雑してゆき、丹那トンネルを抜け、函南、三島、沼津に差し掛かると、かなりの立客もでるようになった。さて、外はすっかり明る くはなったものの、空は灰色の雲に覆われている。せっかく、海側に腰掛けたのに、海はきれいな色ではなかったし、富士山も拝むことができなかった。ちょっと残念。さて、列車は通勤ラッシュの時間帯にかかりはじめ、373系の9両編成ではかなり辛い様子。結局混雑は静岡まで続いた。

静岡からは浜松行きに乗り継ぐ。211系のオールロングシート。先ほどの車内のことがあったので、混んでるかと思ったが、それほどではない。一応、静岡を中心として通勤とは逆方向になるのであろう。そして浜松からは117系で豊橋へ。最近、JR東海は313系の投入により、車両の運用形態にもだいぶ変化が現れてきた。昔は主に、快速で使用していた117系はこのように、区間運転の普通に利用されるようになっている。

そして豊橋からは、313系の新快速。この列車、本当に快適で早い。座席は転換クロスシートだが、従来タイプから改良が加えられており、背もたれ部分も、倒される方向によって背中にフィットするように角度が変わり、より快適になった。さて、外はといえば、名古屋に近づくにつれ、ポツポツと雨が降り出してきた。実は俺、かなりの晴れ男。俺を知ってる人は俺の性格からも、どちらかというと、雨男、曇男がお似合いと思うかもしれないが、じつは晴れ男だったんですね。こういう旅行や行事のときは決まって天気がいいんだよね。でも、今回はそれも通じず...本当は、今日は山科で降りて、鞍馬方面へ行こうと思っていたけど、予定を変更。雨でも全く影響のない、神戸の地下鉄へ行くことにした。
 大垣からは東海道本線の最大のネック区間に入る。つい最近までは1時間に1本だったが、このごろは30分に1本になったので、少しはよくなったようだと時刻表を見ただけのときは感心していたが、実際、大垣のホームで乗り換えてみて裏切られた。今まで、4連の117系が主に使用されてきたのだが、それが、313系の2連になってる...。これじゃ、輸送量はかわらないじゃん。おかげさまで、一応、座れたものの、車内は相変わらず、米原につくまで、大勢の立ち客のいる盛況ぶり。まあ、30分に1本に増えたのは評価するけど、2連にすることはないんじゃないかな。さて、さすがに、東京を5時20分出ているので、なんとか午前中に関ヶ原越えを達成。時刻表で調べて分かっていたものの、意外と早いのに、ちょっと驚く。一方、雨の方は、窓に30度の角度で降り注ぐほどになったいた。やはり、今日はこのままおとなしく神戸市営地下鉄海岸線に行った方が無難だな。

313系 米原行き (大垣) 223系3000番代 新快速姫路行 (米原)


 そして米原からは、西日本の誇る223系3000番代の新快速。313系から223系と東海、西日本の看板列車も着実に世代交代が進んでることを実感する。それにしても、130km/h運転をするこの新快速は、やけくそ気味に早い。ここまで早いとすでに特急だよね。雨粒はほとんど真横に流れはじめる。そして午後2時過ぎ、最初の目的地の三ノ宮に無事到着。東京から鈍行(快速にも乗ってるんだが...)だけでも、ちゃんと着くもんだなと感心してしまう。さて、三ノ宮で最初にやったことは、オレンジカードあさり、JR西日本の主流はJスルーカードなんだけど、こんなもん買っても東京じゃ使えないんで、わざわざオレンジカードを買う。とりあえず、どんなデザインありますかってことで、3000円が1種類、1000円が3種類なんだけけど、実は4種類目の雷鳥のヘッドマークデザインのカードがあったんだけど、これは、前のカードが残っているうちは飛び番になるので、まだ売れないとのこと。まじ?残念。でもね、売れないって言われてしまうと余計欲しくなるのが人情だよね。かくしてこの執念は後ほど実ることになるのだが...。

三ノ宮到着です。 東京から各駅停車のみでもちゃんと着くもんです。

 さて、いきなり今回の最大の目的の神戸市営地下鉄海岸線(愛称:夢かもめ)に乗りにいく。この海岸線は阪神大震災の影響で工事が大幅に遅れ、やっと今年の7月7日に開業したのである。それにしても、三ノ宮・花時計前前ってどこだ?ってことで、かなりうろうろ迷子になるつつ探し回ってしまったが、なんのことはない、神戸市役所の前じゃないか。しかし、駅名が別になるだけあって、やや離れている。この地下鉄は大阪の長堀鶴見緑地線や東京の大江戸線と同様、リニア式ミニ地下鉄である。しかし、車内は思ったほど狭く感じない。なぜだろうと見回してみて気が付いたが、吊り広告が一切ないのである。大江戸線は苦し紛れに広告の中ほどで半分折れながらも、吊ってあるのだが、海岸線にはそれが一切ない。それだけのことだが、かなり天井が高く感じられ、車内も広く見える。車内広告は今や重要な収入源ではあるが、このように、思い切って、広告を取りやめ、広い空間を創り出すことも重要だと感じる。地下鉄は「三ノ宮・花時計前」を出ると、「旧居留地・大丸前」に着く。最近の駅前はこのように2つの地名やシンボルが組み合わさって、長いものが多いが、私個人としてはあま り好きではない。駅前は、シンプルで言いやすく、覚えやすいものがいいと思っているのだが...。新長田までは16分。神戸の街を地下で抜ける。途中、朝夕しか電車のこないJR和田岬線と接続する和田岬も通る、これで、晴れて、日中も電車が通うことになった。新長田では、やや遠いが西神・山手線と改札内で接続。またバリアフリー構造によって、スロープが多く使われている。

これが駅名にもなっている花時計 三宮・花時計前駅
コンコースにある絵画 三宮・花時計前に停車中の5000系
路線図を兼ねた駅名表 ホームの様子
車内の様子 ドア上の案内
新長田駅 ホームの様子 新長田駅名表
新長田に停車中の三宮・花時計前行 しかし駅名が長いと、行き先表示がせせこましいこと...(笑)
下のローマ字なんか...
新長田駅コンコースにあるオブジェ 震災を乗り越えて...
西神・山手腺への連絡通路
左は改札内連絡通路で、右側は改札外連絡通路
西神・山手線の3000系 パンダ歓迎のヘッドマークがついている

新長田からは再びJRに戻って神戸へ向かう。気が付けば、ここはすでに、山陽本線である。今回の鉄での最西端地になった。車両は最近、首都圏でも京葉線で見られるようになった201系スカイブルー。京葉線でみるより、ここで見るほうがなぜかしっくりくるような気がするから不思議である。お隣、兵庫は先ほど、話をした和田岬線が分岐する。最近、電化されホームも高架化されたが、17時ごろまで電車はない。今はまだ15時30分である。そんなわけで、今回は素通りして神戸へ。別に神戸で用があるわけではないが、せっかくなので、東海道本線と山陽本線の境目のキロポストを撮影。その後、元町にでて、雨の中、日本三大中華街の一つである南京町を散策。小腹もすいてきたので、名物ブタまんを買い食いする。

元祖201系スカイブルー (神戸) これが東海道本線と山陽本線の境
神戸駅名表 神戸駅 レンガ作りの駅舎が時代を感じさせる
元町駅 南京町

元町からは三ノ宮で新快速に乗り換えて、大阪へ戻る。まだ時間も早いので、夢咲線(桜島線)のユニバーサルシティー駅に行ってみることにした。西九条までは大阪環状線。かなり年期が入った103系のオレンジで色も退色気味だが、西日本独特の戸袋窓を埋めた改造によって、どこか別形式に見えてくる。西九条では中線から夢咲線が発着するが、やってきたのは噂とおり、全面にユニバーサルシティーのイメージをラッピング塗装した103系である。ここまで派手に塗装するともはや103系とは思えない雰囲気である。しかしさすがに4時過ぎともなれば、この時間からUSJに行く人も少なく。天気も悪いのも手伝って、車内は閑散としている。ユニバーサルシティー駅は某鉄道雑誌にも取り上げられていたとおり、女性駅員がメインに配置されている駅であり、実際、改札口やコンコースに立ち、大勢のお客相手にきびきびと案内をしている。駅をでると、すぐにユニバーサルシティーになるが、正門までの間に併設されているレストラン街やショッピングセンターがあり、ここを見るだけでも十分楽しめる。ちなみに、ここは無料で入ることができる。

103系USJ塗装車 (西九条) 103系USJ塗装車 (ユニバーサルシティー)
ユニバーサルシティー駅名表 ユニバーサルシティー駅
ユニバーサルスタジオジャパン エントランス 駅からエントランスまでの街並み


 一通り散策を終え、駅に戻り、大阪方面のホームを見ると、1日中天気が悪かったにも関わらず、USJからのおびただしい数の帰り客でごったがえしている。こりゃあ、ひとまず、桜島方面に行った方がいいなってことで、一度桜島へ。

桜島駅 そして、これが桜島線のエンドレール。

折り返し、余裕で座って西九条へ戻る。さて、このあとはなんとなく、ミナミへ足を運んでみることにした。環状線を今池で乗り換えて、JR灘波へ。その乗換え駅の今池で我が目を疑う物が入線してきた、なんと「クハ103−1」これって、本物?だったらすごいよ。回送列車じゃなかったら絶対乗ってた。さて、JR難波は昔は湊町と言っていたが、数年前に改称されて、現在の駅名になり、あわせて、地平ホームだったものが地下ホームに駅自体リニューアルされている。昔は灘波まで離れていたが、現在は駅名通り、南海、近鉄、地下鉄が交差する灘波駅まで地下街が整備されている。ミナミではお決まりで道頓堀界隈を散策。雨の御堂筋を歩く。お気に入りの大たこのたこ焼きを食べたが、なんか昔に比べて味が落ちたような...そういえば、行列もなかったし...。これで、今日の予定は一応終了。心斎橋まで歩く。心斎橋には老舗のデパートの本店が並んでいる、一つは大丸。入り口の孔雀のレリーフが非常に美しい。そして、もう一つはそごうだったのだが、この老舗のデパートは某水島氏のずさん経営により潰してしまった。大阪でも超一等地にあるのに、シャッターは閉じたまま。こ んな老舗のデパートを潰してしまって恥ずかしくないのかね。ただいま再建中との案内があったが、果たしてどうなることやら。さて今晩は叔父の家に泊めてもらうため御堂筋線で東三国へ。御堂筋線に乗るたびに感心することがあるのだが、心斎橋駅は東京の銀座線と同様、戦前に開通しているにもかかわらず、銀座線の息がつまりそうな天井の低さとは違い、天井の高いドーム型の壮麗な作りが特徴である。最近開通した地下鉄でもここまで、高い天井のホームは他にはないであろう。

まじ?クハ103−1ってこれって本物? 103系の関西線用のウグイス
JR難波駅名表 しかし「じぇいあーるなんば」っていったい...
「たまぷらーざ」に通じるものがあるって思ってしまった...
雨の道頓堀 相変わらず賑わってます。 しかしすごいネオンサイン。東京でもこんなのないよ。
そごう閉店の挨拶 老舗百貨店がこうももろくも潰れるとは... 大阪の超一等地にあるというのに、シャッターは閉まっている...
片や隣の大丸本店入口のくじゃくの見事なレリーフは健在!
老舗はこうでなきゃ。
御堂筋線 心斎橋駅のホームの様子。ドーム型の高い天井がすばらしい。
これが戦前に作られてたのには驚きです。

 東三国について、神戸でブタまん食べたり、道頓堀でたこ焼き食べたりしてるんで、そんなにおなかはすいてないんだけど、このまま何も食べないわけにもいかないよななんて思いながら、歩いていたら、なんとびっくり180円のラーメン屋さんがあるではないか?まじ?ちょっと自分の目を疑う。店の中を覗くと10席くらいのカウンター席がある、まあ小さい方かもしれないが、ラーメン屋にはよくあるレイアウトだ。本当に180円でラーメン食べれるのかどうか試してもいいかなって思って入ってみることにした。カウンターに座ると、ちゃんとお冷を出してくれて、さっそくラーメンを注文。待つこと、5分。出てきたのは、本当に普通のラーメンそのもの。東京風のあっさり醤油味。さすがに、チャーシューは吹けば飛ぶような薄さだが、具は他にシナチク、もやし、海苔、ネギが入ってる。本当にこれで180円。味の方はといえば、これもまた、普通のラーメン。すっごくおいしいってもんでもないけど、まずいってことは決してない。ごくごく普通のラーメンだ。麺は店の看板に書いてあるとおりだとすると自家製らしいが、これもなかなかのもの。さて、食べ終わって、支払い。勘定は 180円に消費税で189円。200円で11円のおつりを貰う。180円ラーメンは本当だった。しかし、これで、元とれてるのかな。こっちが心配しちゃうよ。皆さんも来阪の際にはお試しあれ。場所の確認ですが、地下鉄御堂筋線。東三国駅、新大阪寄りの改札口を出て、右側へ降りる。茶月の角を右に入るとすぐである。


第2鉄 〜「夢かもめ」と鞍馬・男山・生駒ケーブルカー巡り〜  後編
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