ありがとう 仙石線103系
いよいよ生息の北限である仙石線の103系が10月21日で引退することになった。205系への置き換えが進み2004年からは運用から離脱していたこともあったが、2007年より朝ラッシュ時に限り1本だけ運用が復活。しかし、今回とうとう、その最後の1本も引退することになってしまった。10月17日〜21日までは「ありがとう103系」のヘッドマークを付けて最後の運用に就くことになった。かつて通勤電車の代名詞ともなって約3600両が製造され、山手ウグイス、京浜東北ブルー、中央オレンジ、総武カナリア、常磐エメラルドグリーンと5色のカラーで活躍してきた103系もJR東日本管内からは完全に引退することになってしまった。
さて、前置きが長くなってしまったが、本当は行く予定ではなかっただが、勤務の関係でちょうど3連休中で特に予定もないし、家でブラブラしていても仕方ない。行ってみるか・・・。しかし、18きっぷの時期でもないし、鉄道の日記念きっぷは18日まで。お手頃のきっぷがない。しかも、八甲田、津軽と言った夜行列車もないって、いつの話だ。いろいろ考えあぐねた結果。今回は夜行高速バスを使ってみることにした。いろいろネットで調べて東北急行バスに乗ることにした。運賃はな、な、なんと仙台まで3900円。ありえないくらい安い。ちなみに新幹線だと10590円。乗車券だけでも5780円。仙石線の103系は早朝に走るので、都合がいい。宿泊代もかけずにすむ。なるほど、近年の高速バスブームちょっと納得。
東京→仙台 |
東北急行バス ニュースター号 仙台駅前 |
何はともあれ、交通手段が決まったので、チケットを購入。これも今時、ネットで予約できるらしい。チケットの受取と支払はコンビニで。本当に便利な世の中である。JRは駅ねっとはあるものの、まだ特定の列車のみの対応で、私の乗りたいマニアックな列車や臨時列車。それに、フリーきっぷで乗れる指定席券などは、わざわざ窓口に出向いて並ばなくてはいけない。しかも待たされるJRにも少しは見習って欲しいものである。
23時40分東京駅八重洲口のバス停から出発ということで、家を22時30分に出発。コンビニでのチケット発券は23時までなので、少し早目に出発。近所のファミマで無事チケットを購入。この時点で座席まで決まっているというすぐれもの。
仙台行の高速バスはバスターミナルから出るのではなく、八重洲駅前の通りのバス停から出発。雰囲気的には都バスのバス停と変わらない。バスは発車10分前にやってきた。運転士が入口で改札を行い、座席につく、4列シートでやや狭い上に4Cと通路側で隣の座席にはおじさんが座っている。って俺もおじさんか・・・。^^; JRの指定席は1列に1人づつ席を埋めていき、いっぱいになったら、隣の席を埋めていくのだが、バスは見知らぬ男女が隣同志にならないようにする以外は、1A、1Bと順番に埋めていくようである。かくして、バスは前半分だけが人で埋まって出発。次は終点の仙台駅前ということで、出発して少したったら、後ろの座席に移動。2席を1人で使用。一番後ろに陣取ったので席も心おきなくめいっぱい倒す。座席夜行列車よりも倒れるのでこちらの方が少し楽かも。出発するすぐに首都高へ。まもなく深夜0時だというのになぜか渋滞。30分程走行したところで、トイレ休憩。どこのサービスエリアかと思えば、羽生パーキングエリア。しかも工事中。だったら、手前の蓮田SAか1つ先の佐野SAにすればいいのに。ま、トイレだけだからいいけど。その後も2回ほど
停車するらしいのだが、これは運転士の休憩のためで、乗客は降りることはできない。といいながらもいい加減、眠くなってきたので、いつしか寝入ってしまった。
さて、翌日は予定より少し早い5時に仙台駅前に到着。まだ真っ暗。なぜか小雨がパラついている。結果的にはこのコストパフォーマンスならば、たまには高速バスもありかと。今後の移動手段の1つに加えていくことにする。
あおば通駅 | |
あおば通駅 仙台駅とつながっており、地下鉄はこの駅からの方が近いです。 |
ありがとう103系 ポスター 10月17日〜21日までの運用が掲載されています。 |
とにかく、地下鉄の穴にもぐり、仙石線のあおば通りを目指す。仙台とは別駅ながら、元々私鉄であった仙石線の仙台駅がやや離れているところにあるので、仙台駅とつながっていながら、2000年にこんな駅が仙石線の地下化に伴い出来ている。このあおば通駅の方が地下鉄への乗換は便利である。お目当ての103系は小鶴新田始発の列車が6時36分に到着する。ということで、小鶴新田まで103系を迎えにいくことにする。早朝だというのに、この103系目当ての鉄道ファンが少なからずホームをほっつき歩いている。中には高速バスで一緒だった人も約1名。皆、暇人だなあって俺もか・・・。
仙石線103系 あおば通駅 | |
あおば通方 クハ103−236 | クハ103−236 |
モハ102−499 外板はかなり傷んでいます。 | モハ102−499 |
モハ103−343 | モハ103−343 |
石巻方 クハ103−235 | クハ103−235 |
車内のナンバー | 車内の様子 |
まもなく、石巻方から始発の103系が入線。これが東日本最後の103系かと思うとこみあげてくるものがある。2007年の復活劇の時にわざわざトイレまで付けたというのに、結局その後2年間で引退することになってしまった。側面には半自動のボタンも取り付けられており、首都圏で活躍していた頃とはだいぶ変わってしまったが、こうして最後まで活躍できたこの103系は幸せなのかもしれない。しかし外板の傷みもかなり目立ち、痛々しい。さすがにこれが限界なのかもしれない。
仙石線103系 東塩釜駅 | |
東塩釜に到着しました。 | ありがとう103系 ヘッドマーク 前後共通デザインです。 |
あおば通に向けて出発します。 | 側面方向幕 LEDでなく幕も103系とともになくなります。 |
まずは、あおば通まで、その103系で折り返す。あおば通では、折り返し時間が27分間あるので、舐めまわすように写真を撮ってくる。(笑)折り返しは東塩釜行なので、そのまま東塩釜まで。モハに乗って、抵抗制御のモーター音を堪能する。ここで103系とはお別れ。次の石巻行がくるまで、写真を撮るためホームを駆けずり回る。(笑)
仙石線 205系 | |
現在の主力205系 基本はブルーの帯です。 | 東塩釜駅 |
205系 2WAYシート車 青葉通方 | 石巻方 |
仙台方は緑色です。 | 仙台 |
次は紫色です。 | 塩釜 |
オレンジ色です。 | 松島 |
石巻方は赤色です。 | 石巻 |
2WAYシートです。 | 2WAYシート ステッカー |
さて、今回の目的の103系が終わってしまったので、あとはひたすら帰るだけ。せっかくここまできたのだから、とりあえずは仙石線で石巻まで行く。思えば仙石に乗るのはあおば通が開業して以来なので、約9年半ぶりとなる。つい最近行ったばかりのような気がしていたのだが、月日の経つのは本当に早いものである。石巻は漫画家石ノ森章太郎のゆかりの地ということで漫画の国として町おこしをしており、駅のいたるところに漫画のキャラクターが登場する。本当はラッピング電車マンガッタンライナーにも乗りたかったのだが、これは次回の楽しみとしてとっておくことにする。
石巻駅 | |
石巻 駅名標 | 仮面ライダーなどアニメのキャラクターと記念撮影ができます。 |
石巻に到着した仙石線205系 | 石巻から石巻線に乗り換えます。 |
石巻からは石巻線で前谷地へ。ここで、気仙沼線から来る快速南三陸に乗り換えて仙台へ。こんなところで南三陸に乗れるなんて。(笑)。そういえば、103系に夢中で朝から何も食べていない。仙台では乗り継ぎ時間は7分なのだが、駅弁とKIOSKでお土産用の笹かまぼこを買い求める。さらに、ホームに止まっていたSAT721系やスーパーひたちなんかも写真に撮るため、本当に忙しい。
石巻→仙台 | |
石巻線 キハ48 | 前谷地 駅名標 |
キハ110系 快速南三陸2号 | 721系 原ノ町行 |
SAT721系 | 651系 スーパーひたち34号 |
仙台からは東北線で帰るのも能がないので、常磐線経由で帰ることにする。ついこの間まで455系6連とかが走っていたのが、常磐線も721系になってしまい、旧型車両は一掃されている。そこそこ乗っているが、名取、岩沼と下車していき、常磐線区間に入るとガラガラになってしまった。
それでは、仙台で仕入れた駅弁、牛たん弁当を食べることにする。加熱式の紐をひっぱり温める。いつも思うのだが、加熱式は加熱キットの分、容器だけが大きく、肝心の中身が少ないのであまり好きでない。しかもこの加熱キット部分にお金を払っているような気がしてならない。
仙台→原ノ町 | |
仙台 牛たん弁当 1000円 | 加熱式容器で温かい駅弁が食べられます。 |
721系 折り返し仙台行になります。 | 415系1500番台が留置されていました。 原ノ町 |
列車は宮城県から福島県に入り原ノ町に到着。ここで、いわき行に乗り換えるのだが、乗り換え時間が40分程ある。ちょうどお昼時で、電車が到着すると、駅弁の立売りが出ていた。今時、こういう光景は本当に珍しい。さっき、牛たん弁当を食べたばかりだが、これは買わないわけにはいかない。ということで、浜のかにめしを購入。値段も720円と駅弁にしては安い。
原ノ町からは、今や上野口からは撤退した415系1500番台でいわきへ向かう。せっかく交直流の装備を持っていても、交流区間にしか使われないのは少しもったいない気がするが、かつての455系も同じだったのでそういうものなのであろう。
原ノ町→いわき | |
415系1500番台 | 今や数少なくなった駅弁の立売りが出ています。 |
原ノ町駅 浜のかにめし 720円 | 竹の子とカニフレークがご飯の上に乗っています。 付け合わせはがんもどきとウグイス豆、お新香です。 |
いわきもかつては駅弁取扱駅だったが、駅弁業者の倒産でなくなり、その後また、別の業者で復活したはずなのだが、駅弁の売店のシャッターは下りたまま。福島県浜通りの中心都市であり、また、多くのスーパーひたちの始終点であるにもかかわらず、これではちょっとさびしい。いわきからは、これまた、上野口からは撤退したE501系。209系の交直流番で、エメラルドグリーンの帯を巻いていることからも、103系の後継的な位置づけで、当初は取手発着を土浦発着にという目論見があったようだが、結局これも中途半端に終わってしまって、どちらかというとお荷物的な存在の車両となってしまった。
この電車は水戸行だが、後続は勝田発なので、勝田で降りる。勝田からはいよいよ最後の行程であるE531系上野行に乗る。最後くらいグリーン車を奮発。割引のない平日にグリーン車に乗るなんて、本当に贅沢であるって、いつも乗ってるだろうって。まあ、そうなんですけど。しかし、このE531系が先ほどから乗ってきた415系やE501系を上野口から追いやった張本人である。
しかし、茨城県内の常磐沿線はなぜか切ない。先ほど、通った、大甕からは日立電鉄が、石岡からは鹿島鉄道がそれぞれ廃止になってしまったのはまだ記憶に新しい。両方ともホーム跡が駐車場になってしまっている。東京から比較的近いにも関わらず、地方鉄道をとりまく状況が厳しくまたこれが現実である。そうした中、勝田からの出ている元茨城交通はひたちなか海浜鉄道として、なんとか再生の道を歩んでいるのをみると、やはり、心から応援していきたいという気持ちになる。旧国鉄カラーの気道車もいることだし、近いうちに訪れたい。
そんな感じで上野には10月も半ばすぎ、すでに夜の帳が下りた17時32分に到着。急遽、結構した仙石線103系の夜行日帰りの訪問を無事終えることができた。
いわき→勝田→上野 | |
651系 スーパーひたち42号 いわき | E501系 いわき |
ひたちなか海浜鉄道 キハ3710 | 651系 スーパーひたち42号 勝田 |
485系ゆう | フレッシュひたち44号 E653系 グリーンレイク 土浦 |
E531系 | 最後はやっぱりグリーン車で。 |
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