GOGO 東日本!


待ちに待ったGW!今回はどこをほっつき周ろうかなって考える。って考えることもなく、実は山形新幹線新庄、仙石線あおば通、E751スーパーはつかりにターゲットは決まっている。切符はもちろん、ゴールデンウィーク限定、3日間JR東日本全線乗り放題のGOGOフリーきっぷ。期間は4月30日〜5月2日まで。


久しぶりの鉄なもんで、ちょっと興奮気味。勢いで、29日夜発のアルプスに乗ってしまう。(笑)。当初は11時50分発定期アルプスにしようと思ってたのだが、なんか空いてそうだったし、新宿のホームで待つのもかったるくなってきたので、定期の30分前に出る、11時20分発臨時急行アルプス81号にする。それに、いつ消えてもおかしくない165系にも乗りたくなった。もちろん座席のグレードは183系より落ちるだろうけど...。果たしてやってきた列車は165ならず長野色の169。まあどっちでも同じなんだけど。しかし、それにしても急行アルプスっていう側面サボがまた泣かせる。しかも座席はボックスではなく、簡リクタイプ。ラッキー!GWとはいえ、29日は暦通りの場合は単なる土日に過ぎないと言うことで、アルプス81号はかなりの空席を残して光り輝くネオンの新宿を後にする。この列車を甲府で降りて、後続の定期アルプスで韮崎まで行く。臨時のアルプス81号は韮崎には停車しないためだ。かと言って別に韮崎に用があるわけでもない。ここで、上りアルプスに乗り換えるためなんだ。(笑)。俗に言う韮崎ターンってやつ。(笑)。三十路も間近という のに何やってるんだろうね。俺は...。(笑)。


169系 臨時急行アルプス81号 サボ 169系 急行アルプス 甲府駅

人っ子一人いない旧勾配上にある深夜のホームで一人列車を待つ。なんかこういう雰囲気好きなんだよね。思いっきり鉄してるって感じで...(笑)。その間、下り定期アルプスの後続で臨時のアルプス85号が通過していく。この列車は三鷹色の169系。それにしても、アルプスが3本もあるなんて、さすがに連休だ。
そうこうするうちに、上りのアルプスも到着、11両もつないでいるくせに、相変わらずガラガラ、グレードアップ仕様の自由席を回転させて、4席を一人でゆったりと使う。おかげで、新宿まで、仮眠。立夏もせまる新宿朝5時半はもう、昼間のように明るい。中央快速はまだ運転されず、11番線緩行ホームよりオレンジの201系各駅停車に乗り、途中お茶の水でガインと快速線に入って東京へ。


189系 急行アルプス 急行アルプス 新宿 側面方向幕

ここで、今朝の朝飯を仕入れる。最近は割高な駅弁を買わずにコンビニ弁当で済ます人も多いようだが、コンビニ弁当は普段よく食べてるし、確かに腹を満たすという点では、役割を果たしてしるのだが、何か味気ない。そういうわけで、鉄しているときは少々高くても、その土地土地の駅弁を食することにしている。ささやかながらの贅沢というか、駅弁も鉄の楽しみの一つである。よくよく、駅弁って考えれば、冷たい御飯だし、おいしいわけはないのだが、車窓の景色が最高の調味料になるのか、列車の中で食べるとおいしく感じるから不思議なものだ。しかし、相変わらず東京にはこれと言った駅弁がないんだよな。こんなことだから、駅弁人気投票でいつまで立ってもお隣、横浜のシウマイ弁当に1位をかっさわられるんだよね。確かに崎陽軒のシウマイ弁当は値段といい味といい名駅弁だけどね。そんこと言ってもここは東京。横浜ではないので、東京の駅弁「あなご飯」を調達。


本来ここから始まる予定だった東京からは、つばさでは唯一単独運転の111号で今回の第一目的の新庄へ。E3系ないし、せめて400系の新色を期待してたけど、入線してきた列車は朝日にまばゆいばかりに輝いていた従来の銀色塗色の400系。朝早い列車ということもあり、思った程の混雑はない。2人連れの人は並んで2席。1人の人は隣り合った2席を一人で使用して、ほどよく座席がうまる。上野、大宮を出た時点でこの程度ということは、いわゆる、理想的な乗車率というところなのだろう。
それにしても久しぶりに新幹線の乗ったが、やっぱ早いね。しばらくはその速さに酔いしれながらゆく。定刻福島着。ここから山形新幹線に入っていく、この先新庄までは高畠以外の各駅に停車。ここから結構乗ってきて、座席がほぼ埋まる。それにしても山形新幹線の人気の秘密はなんなんだろうね。いつもだいたい混んでるよ。そのうち8両編成になっちゃったりして...。山形からはいよいよ注目の新庄延伸区間。去年の12月まではここから連絡特急「こまくさ」がでていたが、今はその影もない。さて、乗車率だが、意外にも多い。山形で降りた人数とほぼ同数にやや欠ける程度が新たに乗車する。これを見る限りでは新庄延伸も無駄じゃなかったんだとちょっと安心する。
しかし、途中駅の「さくらんぼ東根」っていう駅名なんとかならないの?俺個人的にはこういうの好きじゃないんだよね。他には中央線にもわざわざ改称した「勝沼ぶどう郷」っていうのがあるよね。「東根」とか「勝沼」っていうすばらしい地名があるんだから余計なものつけなくていいと思うんだけどな。まあ、確かに「さくらんぼ」なんてついてると、一目でさくらんぼの産地ってこともわかるし、駅名もインパクトあるから皆、印象に残って覚えるんだろうな。確かに「東根」ではすぐに忘れそうだし...。


400系つばさ 新庄 新庄駅 駅前広場はまだ工事中
110系 快速最上川 110系陸羽西線タイプ快速「最上川」&701系快速「こまくさ」

新庄では次の予定の陸羽西線快速最上川まで若干時間がある。本当はこのあとの速達タイプのつばさ113号でも間に合うのだが、新しくなった新庄駅をちょっと見てみたかったので、1本早い列車できたのである。新庄駅は確か去年の1月末に485系「特急こまくさ」の乗り納めのために来たのだが、その時のプレハブの仮駅舎からは想像もつかないくらい、立派に変身をとげてたが駅前広場はまだ整備中だったのが少し残念だった。
つばさ113号が到着すると混むと思ったので、その少し前に陸羽西線のホームへ。列車は今回新登場したキハ110の陸西タイプ。隣のホームをみれば、701系電車の横手行「快速こまくさ」。当然オールロングシート。485系の時とは偉い格差だ。
さて、我が方の陸羽西線であるが、何度か乗ったことはあるが、快速でここを駆け抜けるのは初めてだ。それに「快速最上川1号」なんて素敵な名前がついているのも好感が持てる。陸西用車両だが、進行方向、向かって、右側の座席は一人がけのクロスシートでしかも、窓側に45度傾けられるすぐれもの。さっそく、この席に腰を下ろし、窓方向に席を向ける。なるほど、これで、満々と流れる最上川の車窓を満喫できるわけだ。


酒田駅 485系3000番代 いなほ

酒田で、ちょうどお昼時、本日2食目の駅弁「庄内釜めし」を買い求めた。酒田からは、「いなほ8号」で羽越本線を新潟まで上る。車両はオンボロ485系かと思いきや、上沼垂色の3000番台アコモ改造車。ヤッター!!!。運用について間もないと見え、まだ新車の香りがする。この新型「いなほ」に身を任せ、悲しみ本線日本海をゆく。悲しみ本線とは言ってみたものの、早、初夏の様相を呈してる日本海はやけに明るく、鮮やかだ。一方、山側サイドに目をやれば、まだ雪の残る鳥海山の堂々たる姿がそこにある。しばらく走行して再び海側を見れば、粟島の美しい島影も見えてくる。いつのまにか山形県から新潟県に入り、交流、直流の境目の村上を過ぎれば、まもなく、新潟。ここから、角栄新幹線いや、上越新幹線あさひ318号で大宮まで飛ぶ。それにしても、さすが上越新幹線。乗るたびに思うのだが、本当に早いね。全く角栄様様である。(笑)。
大宮ではなんと2分の接続でMAXやまびこ137号で杜の都、仙台へ。この列車はかなり混雑していたが、一人なので、1階席になんとか座れる。自由席であれば、2階より、1階の方が座席はいいが、その分、眺めは悪いと言うより、壁しか見えないと思っていたが、思った程ひどくはなく、ちゃんと明るい空が見える。空って書いたところがポイント。(笑)。そういいつつ、昨晩の寝不足がたたり、気が付くと、とっくに仙台に到着、すでに皆、下りはじめている。げっ!でも、回送されなくてよかった。(笑)。ここで、ちょっと早めだが、夕食用にうにめしを買っておく。ここで買っておかなければ、夕飯の調達は不可能になってしまいそうだからである。


E4系 MAXやまびこ 仙台駅 E4系 MAX 側面ロゴ
仙石線 あおば通駅

ここから、今年3月に開業したばかりの新駅あおば通まで徒歩。地下鉄仙台に隣接してるというので、地下鉄乗り場をめざして、歩く。途中、阿部の笹かまぼこ本店に寄りたい気持ちをおさえつつ18時発快速うみかぜ21号に間に合うようにちょっと急ぐ。地下駅のあおば通は新しいので本当にきれい。そこに103系アコモ改造車が入ってる。103系生息の北限である。お目当ての快速うみかぜはすでに入線済み。夕方だというのに、結構空いている。正面に回って、写真撮影。103系のくせに、前面種別幕には電飾の「うみかぜ」のヘッドマーク。なんかいい感じ。これだけでも、列車に楽しさが加わる。それにしても103系でヘッドマーク付ってここしかないんじゃない。


103系仙石線 あおば通駅 「うみかぜ」のヘッドマーク

そうこうしているうちにそろりそろりと出発。そのままゆっくりの速度のまますぐに仙台駅に到着。ここで、一気に乗車数が増え、立ち客もでる。苦竹までは地下区間も行く。快速のため、停車駅は少ないが、速度的にはそうでもなく、ダラダラと走っているという感じだが、車窓には暮色に包み込まれた松島の美しいシルエット。あれ?ちょっとメモを取ろうとペンを胸のポケットに取りに行ったが、見当たらない。げっ!落としちゃった。MAXの中ではあったから、寝ていて、MAXから慌てて下りた時か、あおば通まで歩いている途中にでも落としたのだろう。まあ、会社からかすめてきた、PILOTの黒のボールペンなんで、別に惜しくはないんだけどさ。でも、この先、ペンなしでは困るので、石巻到着後。駅のコンビニで100円のペンを買う。さすがに金出して買うペンは書き心地が違うね。ペンだけ買うのもなんなので、一緒に飲料も仕入れる。リフレビィか生茶がいいかなあなんて思ってたんだけど、ふと目に入ったたんぽぽ茶。なんとおまけがついてるじゃん!1も2もなくたんぽぽ茶。我ながら単細胞さに少々呆れ果てる。石巻ではとっぷりと日も暮れ。次の列車まで1時間程、時間 があるので、駅前商店街を散策したが、まだ7時になったばかりというのに、商店のシャッターは皆下りてしまっている。やっぱり地方は夜が早いね。さて、石巻からは、夜の石巻線を小牛田へ抜ける。昨今どこかしこにも新型気動車が入っている中、ここでは国鉄時代からのキハ48。ガルンガルンというエンジン音が郷愁を誘う。小牛田では4分の接続で陸羽東線で古川へ。この線区には、陸西同様、陸東用新型110系が入っているが、陸西用のように座席への特別なしかけはない。


110系気動車 陸羽東線 古川駅

古川では30分の接続で最終の東北新幹線東京行を一人ぽつんとホームで待つ。田んぼの真ん中にたたずむ駅では、カエルの合唱がこだまのように聞こえてくる。突然、下りホームに列車通過の警告放送。漆黒の闇のはるかかなたにかすかなヘッドライトが確認できたかと思うと、見る見るうちに、その光は近づいてきて、疾風のごとく、時速275km/hの盛岡・秋田行臨時「やまびこ・こまち67号」が通過線を駆け抜けた。しばらくそのテールライトを目で追ってるうちに、最終東京行やまびこ56号の入線。さきほどの通過列車とは違い、優しい表情の200系。そういえば、さっき上越新幹線の200系に乗った時もそうだったが、座席が3列席の方も回転する、フリーストップリクライニングシートになっている。いつのまにか、座席もよくなったものだ。まあ、高い新幹線特急料金を払って乗るんだから、このくらいのサービスアップは当然だけど...。
この最終やまびこ56号は東京ではなく、上野で下りる。地下の長いエスカレーターを乗り継いで地平ホームへと這い出る。特急改札口を抜け、特急専用ホームに足を急がせる。まもなく489系白山色急行能登の入線。翌日が平日のため席取り合戦もなく、ひたすら発車を待つ。思えば、97年に横川−軽井沢間が廃止され、能登の経路も信越線回りから上越線回りになってはじめての乗車になる。上越線経由金沢というと、いわば旧はくたか経路ということである。もっとも能登はその先の福井まで足を延ばすが...
能登は日付変更線も間近の上野駅をゆるゆると出発。赤羽、大宮と高崎線の最終も兼ねる能登は高崎までこまめに止まってゆく。高崎から上越線に進路を取るが、高崎をでると翌早朝の直江津まで停車はしない。信越線経由時代には補機の連結開放のため横川、軽井沢にはもちろんのこと、長野、妙高高原にも停車していたが、せっかく上越線経由になって能登は残ったものの、上越線内はすべて通過するため、能登の恩恵を受けることはない。


直江津駅 客船をもモチーフにしてるらしい。 直江津駅に留置中の417系及び「みのり」用485系


東日本と西日本の境でもある直江津には夜も白んできた頃、どこで遅れたのか定刻より約10分遅の早朝4時30分に到着。GOGOフリーきっぷのエリアはここまでなので、ここで、下りざるをえない。直江津駅には3年ぶりくらいにきたが、近代的な新駅舎に立て替えれらていて、昔の瀟洒な駅舎は見る影もない。ちょっと残念な感じ。ここでは1時間の待ち合わせで長野新幹線開業に伴い新設された、快速信越リレー妙高に乗る。車両は昔のあさまで使用されていた、189系を6両の短編成にした快速には贅沢すぎる車両である。塗色も白にモスグリーンのあさま色のまんま。当時のあさまを彷彿とさせる。ヘッドマークも単なる快速ではなく、デザイン付きというのもいい。車内はほぼ、当時のまま、特急型にふさわしく、フリーストップ型のリクライニングシートが並ぶ。


189系 快速「信越リレー妙高」 直江津駅 信越リレー妙高号 ヘッドマーク


桜で有名な高田をすぎて、脇野田付近が整備新幹線新規着工区間である北陸新幹線の上越駅になるらしい。しかし、あくまでも上越は仮称であるが、この駅名のままだと、上越新幹線と混乱しやすいため変更の必要があるだろう。さしずめ新直江津あたりに落ち着くのであろうか?新潟県から長野県に入り、新幹線の橋脚が見えてくると、長野である。長野ではリレー号とよく言ったもので10分接続で「あさま」に接続するため、少々慌ただしく乗り換える、その間、今日の朝御飯、信州らしくきのこ弁当を調達する。
7時2分発のあさま550号は東京まで各駅に停車していく。ものすごく混雑してるというわけではないが、通勤時間帯であるためそこそこの乗車率。驚いたのが、高校生が多いこと。きれいなE2系での新幹線通学とはなんとも優雅なものである。この高校生達は佐久平で下りて行った。しかし、今時の親御さんは大変だ。高校の授業料、塾の費用の他に新幹線の通学定期代も負担しなければならない。さすがに教育県長野である。偉くなってしっかりと親孝行してもらいたいもんだ。(笑)。
さて、トンネルばかりの長野新幹線区間もあっとい間に過ぎ去り、高崎からは上越新幹線、大宮からは東北新幹線と合流しながら、東京まで戻ってくる。


E2系 長野新幹線「あさま」 東京駅 E2系 側面ロゴマーク

東京からは房総ビューエクスプレスで房総半島1周の小旅行に旅立つ。長野・上越新幹線のホームから、延々と京葉線地下ホームまでやってくる。ここで、私のお気に入りの255系ビューさざなみ5号を待つ。房総の海の青、空に浮かぶ入道雲の白、菜の花の黄色のカラーリングがとってもいい。入線してきた列車は折り返し運転のため車内清掃。やっと乗車できるのが、発車の5、6分前。もう少しなんとかならないのかな?車内はといえば、どこかの高専の合宿が館山であるらしく、自由席はほぼ満席になってしまった。お願いだから団体乗車は指定席取ってよ。そんなこととは別に列車は潮見の手前で閉塞感のある地下区間から脱出し、陽光のふりそそぐ、湾岸地帯へと顔を出す。快速停車駅である新木場も何でもないように通過してゆき、クロスシート席から眺める車窓は、普段通勤で使っている線区にもかかわらず、全く別世界に感じる。おとぎばなしの入り口のような舞浜も高層ビルの立ち並ぶ海浜幕張も静かに通過していく。蘇我を過ぎて、内房線に入ってくると、だんだん房総らしくなってくる。外はますます明るく日差しが照り付け、東京湾もこんなきれいだったかと思う程の青い海が見え 隠れし始める。やがて、停車駅も多くなってくると館山に到着。ここで、乗客の大半はおりてゆき、この車両には私一人が残った。この列車はそのまま千倉まで行く。千倉でいやがおうにも放り出されてしまったが、特急の終点にしては駅舎もこじんまりとしていて、ちょっと寂しい。内房特急の大半が未だに館山止めであることもうなずける。千倉−安房鴨川間は房総半島1周のうち、唯一特急の走らない区間となり、113系の6連に身を任せる。ちょうど、半島の先端部を太平洋側に回り込んでゆくのだが、安房鴨川までが内房線。その先が外房線になる。


千倉に到着した255系 ビューさざなみ5号 Boso View Express 側面ロゴ
千倉駅 255系 ビューわかしお 安房鴨川駅

安房鴨川は外房線の終点となるためそれなりに賑やかな駅で、ここで、「あわびちらし」なる駅弁を購入。発車まで30分以上あるにもかかわらず、ビューわかしお14号東京行もすでに入線、扉をあけて、乗客を待ちうける。外房線の車窓には先ほどの内房線よりもっと鮮やかな紺碧な太平洋が広がる。光り輝く海面に、早くも、夏の予感を感じる。
「ビューわかしお」は蘇我で下り、房総半島一周の旅を終えて、千葉へ向かう。昔は「さざなみ」も「わかしお」を総武本線千葉経由だったが、成田エクスプレスが登場し、道をゆずるため、京葉線経由になってからは、千葉は経由しない。千葉からは時間調整のため「しおさい」で特急遊び。佐倉まで行って戻ってくる。しかし、今時、183系0番代しかも国鉄特急色なんて、貴重すぎ。いつ消えてもおかしくないよな。「しおさい7号」は、相変わらずグリーン車のないモノクラスではあるが、堂々8両の編成である。もっとも中日なので、それほどは混んでいなかったが...。


183系 しおさい 千葉駅

時間調整を終え、再び千葉に戻ってきて、お目当ての千葉発の「あずさ63号」に乗る。あずさには学生時代によく乗ったものだったが、千葉発のあずさには乗ったことがなかった。はたして千葉から松本まで3時間半のロングランの始まりである。予想通り、乗ってる人は多くない。途中船橋、錦糸町と停車し、ここまでは総武快速線上を順調にとばす、錦糸町から、緩行線に入り込み、秋葉原に停車。秋葉原に特急が停車するのは、この千葉発着のあずさの1日2往復と夕刻に上りのしおさいの1本のみだ。お茶の水からは緩行線と別れを告げ、今度は中央快速線に移って進み。あずさの本来の出発地である新宿に到着する。さすがに新宿からは大量に乗り込んでくる。相変わらず「あずさ」は人気特急だな。いつでもこんな感じだよね。183系は全編成さっさと11両にすればいいのに...。そう言えば、あずさに乗るのは本当に久しぶりかもしれない。なんか懐かしいな。あずさは当時と同じ、相変わらず、高尾まで、前を走る快速につかえて、ダラダラと走り、せっかく先行列車がなくなる高尾からは、山岳路線にはいり、これまた、速度が思ったようには上がらない。E351系のスーパーあず さであれば、振り子機能により山岳区間でも速度が上がるが、183系ではそうもいかない。そんなこんなで大月到着。ほどなくいくと、車窓右側に銀色の宇宙船のような形をしたNECの研究所が見えてくる。なぜかこの建物を見ると、これから松本へ行くんだなって実感する。車内は立ち客まではいないが、甲府をすぎても、かなりの乗車率。甲府をすぎると、一昨日の晩、意味もなく深夜に降り立った韮崎を通過し、小淵沢に到着、夕暮れの八ヶ岳のシルエットが近づいてくる。信濃境から、駅名どおり、山梨県から長野県に入ってくる。寥科高原の入り口になる茅野からは特急のくせに、上諏訪、下諏訪、岡谷、塩尻とみどり湖以外は各駅に停車していく。しかも、岡谷までは、中央東線の最大のネックとなっている単線区間になる。塩尻で名古屋方面への中央西線と別れて、篠ノ井線に入り、ほどなくすると、終点松本である。


松本ではちょっとゆっくりしたかったので、1本落として、1時間後の「しなの29号」で長野へゆく。オレンジカード買ったり、駅ビルでちょっと買い物してたけど、結局、時間があまったので、しなのを塩尻まで迎えに行く。松本と長野は同じ県内でありながら、特急で50分と結構はなれてる。これも、383系のワイドビューしなのが入ったからで、381系時代はほぼ1時間かかっていた。聖高原をでて、姨捨峠を越えると、10万ドルの更埴の夜景が眼下に広がる。列車は少しずつ、高度を落としながら、いつしか、自らもその夜景の中に入っていく。長野からはまたまた新幹線「あさま536号」でなぜか高崎へ。夜の上りのあさまはかなり空いていて、たまたま近くに座っていたビジネスマンが、「これじゃ、空気を運んでるようだ。」と話している。うーん。またまた新幹線の評判を落としてしまってるようだ。長野新幹線は普段はもっと混んでるだけどな。私自身ここまで空いてる長野新幹線は初めてである。さて、夜でただでさえ、景気も見えないのに加えて、トンネルだらけで退屈しのぎに、持参した時刻表なぞ、パラパラとめくってみる。で、気が付いたのだが、今でも、月〜木まで は軽井沢止めの列車があるみたいだ。だったら、軽井沢止めの列車名は「あさま」じゃなくて「そよかぜ」にすればいいのになんてくだらないこと思ってしまった。でもいいでしょう。「そよかぜ」の復活って。


さて、このあさまは高崎で下りて、上越新幹線に乗り換える。もう22時を回っているというのに、これからどこへ行こうというのだろうか?やってきた列車はあさひ339号。こんな時間でもまだ最終列車ではない。大清水トンネルを抜け、長岡へ。ここで、約20分の待ち合わせで「急行きたぐに」に乗る。もはや、583系の定期列車はこの「きたぐに」だけになってしまってる。オリジナル塗装でなくなってしまってるのは少々残念ではあるが、客室内は、モケットの張り替え以外は、オリジナルそのもの。しかし、これもいつまで残ってるかは甚だ疑問だ。この列車を当然、直江津で下りる。これで、直江津には早朝と深夜にしか乗り降りしなかったことになる。(笑)。実際のところ、乗り換え時間がわずか6分なので、「きたぐに」が少しでも遅れると、致命的な結果になり、少し不安があったが、ちゃんと定時到着、無事、上野行能登に乗り換える。上りの能登も下り同様、直江津をでると高崎まで停車しないので、ガラガラの車内の椅子を回転させて、4席を一人で占領。快適なことこの上ない。
翌朝は大宮付近まで、ぐっすり。洗面をすまし、すっきりして、上野の地平ホームに降り立つ。今や、上野に限らず、首都圏に485・489が定期列車として乗り入れているのはこの能登だけになってる。白山カラーとはいえ、ボンネットタイプというのも、本当に貴重である。もっとも、この列車の間合い運用でホームライナーには使用されているが...。


583系 急行きたぐに 直江津駅 489系 急行能登 
上野到着早々、ヘッドマークは次に仕業のホームライナーに。

さて、今日はこれから、東北新幹線で一気に盛岡、青森、そして最終目的地の弘前まで行く。そんなわけで、上野から東京へ。日中なら、新幹線で上野−東京を移動という贅沢極まりないことができるが、まだ、東京行きの始発がないため、山手線で行く。まだ7時前というのに、かなり混んでいる、さすがに、天下の山手線である。こうして、山手線に乗ると、旅の途中にふと、日常に戻った気がする瞬間が訪れる。


一瞬日常に帰った東京駅で出会った
祝さいたま新都心駅開業のヘッドマークシール付きの209系

さて、ここで、今朝の朝御飯の深川めしともに、E2'系、速達タイプのやまびこ1号に乗り込む。終点盛岡まで、E3'系こまち1号も併結されている。最高速度は275km/hだが、大宮までは160km/hの速度制限。大宮をすぎるといよいよ本領発揮。盛岡までたった2時間半というのは驚異的だ。しかも、275km/hも出すのに、特別料金を取らないというのがいい。東海道新幹線なんかこのやまびこより、5km/hも遅い、270km/hのくせに、全車指定でしかものぞみ料金を課している。確かにのぞみデビュー当時は、最速列車として、特別料金があってもいいと思ったが、あれから10年近くが立ち、新幹線は260km/h以上が当たり前になった時代に、270km/h程度で特別料金をとるのは如何なものだろうか?その点、乗り入れ先のJR西日本担当の山陽新幹線は500系をデビューさせ、300km/h運転を実施したり、700系では285km/hにしたり、また、ひかりレールスターをデビューさせたりと、新たな付加価値をつけている。これでは、いくら、経年著しい東海道新幹線で改善が難しいとはいえ、ドル箱路線にあぐらをかいていると言われても仕方なかろう。


さて、盛岡では10分の乗り継ぎで3月にデビューしたばかりのE751系スーパーはつかり3号に乗る。一緒に乗り換えた、おばちゃん達が、「あら、きれいな電車。よかったわ。最初、間違ったのかと思っちゃったわよ。」なんて嬉しそうに話している。こうして、鉄道ファン以外の人が電車を誉めているのを聞くと、なぜか嬉しくなってしまう。実際、E751系は非常に快適である。広い窓で眺めもいいし、座席もリクライニングはもちろんのこと、座面も前にスライドして座り心地がよくなるように工夫されている。注目すべき点は、デッキと客室の自動扉が、半自動式になっていることだ。客室内から出る場合は通常の自動扉同様、センサー式で自動開閉するが、デッキから客室に入るときは、タッチ式(扉に手を触れること)で、開閉させる。これにより、混雑時等、デッキで、通る意志がないのに、センサーにかかってしまい、ドアが開閉してしまうことはなくなる。この方式は、一部東武特急等で採用されているが、JRではおそらく初めてだろう。


東北新幹線 盛岡−八戸 延伸工事の様子
盛岡付近 橋脚が立ち始めている 沼宮内−二戸間
沼宮内−二戸間 川原木地区付近 沼宮内−二戸間 川原木地区付近
二戸駅 路盤工事 二戸−八戸間

さて、車窓にはいよいよ、2002年末に開業が迫ってきた、東北新幹線の八戸延長工事がそこかしこに見れるようになる。トンネル工事だけでなく、高架橋脚なども姿を現わしはじめており、いずれは、このスーパーはつかりも八戸発着に代わるのだろう。
スーパーと付くだけあって、速度も早くなり、青森まで2時間を切る。今はまだ、3編成しかないが、将来的に増備され、函館乗り入れも期待したいところである。しかし、このスーパーはつかり投入のあおりを受け、並みのはつかりは全て、485系3000番台のアコモ改造車になり、国鉄特急色のはつかりは定期運用から外れてしまったという、ちょっぴり残念なニュースもついて回るのは世の常だ。


E751系スーパーはつかり 青森駅 跨線橋から
青森駅 485系3000番代 はつかり 

青森から奥羽本線の接続は劣悪を極め、ここで、1時間半ほど、時間があく。そこで、駅前をブラブラ。駅を出て、すぐ右側には市場があるので、ちょっとのぞいて見る。や、安い!東京での値段しか知らない私にとっては驚きの連続。朝取れたうになんて、700円とかで売ってるし。このまま東京に帰るなら、買って行きたいものばかり。とりあえず、一通り見て回り、青森名産ねぶたづけをお土産に購入。再びホームに戻る。701系弘前行がすでに入線。何気に701系初仕切りだったりするんで、ちょっと嬉しい。とりあえず、いろいろ議論も多いロングシートに腰を下ろして発車を待つ。しかし、発車時間がせまるにつれ、どんどん車内は込みはじめて、発車するころには、満員の通勤列車の様相を呈している。そりゃあ、そうだよね。2時間に1本くらいしか電車ないんだもん。もちろん、GW中で、弘前の桜目当ての人が多いので、混んでるのだと思うのだが、青森と弘前を結ぶ区間列車くらい、30分おきくらいに走らせてもいいのではとも思うのだが...。結局、途中駅で下りるひとなどいるはずもなく、混雑は終点弘前まで続いた。


弘前駅 満開の桜と弘前城

弘前ではご多分にもれず、世界一美しいと言われている、弘前城の桜を見に行く。天気もいいので、絶好のお花見日和。バスも使わず、20分強の道をてくてく歩く。しかし、東京では一ヶ月も前に散ってしまった桜をこうして、見れるなんて、日本列島の長さを実感してしまうとともに、こうして、見物にこれるんだから、いい時代になったものである。はたして、弘前の桜は本当に満開。ソメイヨシノあり、枝垂桜ありで、本当にすばらしい。わざわざ東京から見に来たかいがあったってもんだ。せっかくきたんだから、300円の入場料払って、天守閣にも上る。天守閣自体はこじんまりとしていて、大したことはないな、なんて思って、階段を上っていたら、ゴン!って音とともに、目の前に星屑が光った。いてー!!!まじかよ。思いっきり頭ぶつけたよ。俺さ、背低いから、普段の生活で、かも居をくぐるときとかって意識したことないんだよね。だから、今回も不意打ち食らったって感じ...。そういえば、こないだも、親戚の法事でお寺に行ったときも、同じように頭ぶつけたんだよな。学習能力のないやつめ。てなわけで、たんこぶをお土産に、弘前城を後にする。(笑)。


今日の予定はこれにて終了。帰りの列車である、かもしか4号まではまだ時間に十分余裕があるので、弘南鉄道大鰐線の中央弘前に行く。この駅はJRの弘前とは徒歩で10分程離れていて、商店街を通り抜けていかなくてはならず、ちょっと分かり難いところにあるが、前にも来たことがあるので、記憶をたよりに歩いていく。とは言っても、はっきり覚えているわけではないので、やっぱり地元のおばちゃんに道をたずねる。大筋はあっていたので、聞いてみて、すぐに思い出した。よかった。よかった。
今回、わざわざ、弘南鉄道大鰐線に来たのは、実は元東急6000系の消息を確かめたかったからだ。5000系や7000系は多くの地方私鉄に引き取られて行ったが、6000系は少数派だったこともあり、弘南鉄道にのみ、譲渡されている。近年多くの地方鉄道で、5000系は置き換えが進んでおり、7000系が大半を占める弘南鉄道でも、セミステンレス車とはいえ、車齢の高い、6000系はそろそろ引退なのではという不安もあり、今回、足を運んでみた。
中央弘前駅はいかにも、地方私鉄って感じの素朴な駅。なんか、こういう雰囲気好きだな。でも、ローカルなんて馬鹿にしたもんじゃない。これでも、午前中は20分ヘッド(大鰐までは40分ヘッド)。午後は30ヘッドの運転本数を誇る。


弘南鉄道 中央弘前駅 弘南鉄道7000系 中央弘前駅

しかし、ちょうど、電車が行ってしまったばかりらしく、しばらく待合室で待つ。事前情報ではお目当ての6000系は朝夕の快速にしか使われていないとのことであったが、夕方の快速はなくなってしまっている。ということは、6000系はすでに引退してしまったのだろうかという不安がよぎる。発車時間間近に、やってきた電車は当然7000系。中間車改造ではなく、オリジナルの先頭車。前面に赤帯が入っており、ぱっと見では東急の晩年時代とほとんど同じスタイルで懐かしく思える。車内は運賃箱と整理券発券機以外は東急のまま。シートも元東急標準のアズキ色のシート。吊革の宣伝も「東急百貨店」なんか昔の東急にタイムスリップしたような錯覚を覚える。私も昔、東急時代にこの車両に乗ったかもしれないって思うと、再び、この弘前で巡り合っていることを不思議に思えてくる。
電車はそこそこの乗客をのせ、弘前の市街地をのんびりと走ってゆき、いつしか、田園風景へと景色も変わっていく。途中駅に隣接された車庫では、南海の1500系とともにお目当ての6000系が眠っていた。青帯が巻かれていて、一見状態はよさそうだが、実運用に使用されているかは、疑問が残る。30分ほどの短い旅を終え、大鰐に到着。この駅はJRと隣接しているが、最近、JRは大鰐温泉と駅名を改称しており、同じ駅を共用しているにもかかわらず、駅名が違ってしまっている。
その大鰐駅の留置線にも6000系が入ってました。こちらは前面にのみ赤帯が入っている編成で、前面、貫通窓の上部に快速の表示がある。しかしこれも動いているのかは疑問ということで、早速駅員さんに尋ねてみると、朝一往復の快速のみに使用されているとのこと。とりあえず生きてるんだ。なんか嬉しくなってしまった。今回は時間的な余裕もないので、乗るのは諦めたけど、6000系にあえて、写真も撮ってこれて、現役で頑張ってることを確認できただけでも、収穫だった。


弘南鉄道6000系 大鰐駅

さて、いよいよ、全ての予定が終了し、あとはひたすら、東京に帰るだけ。今、16時22分。大鰐温泉から「かもしか4号」で秋田へ向かう。列車は3両編成の非常に短い編成。乗った車両は半車グリーンのクロハ。しかし座っているところはハ座というのが泣けてくる。(笑)。しかし、3両編成でいいのかね。なんとか座れたけど、混んでたよ。秋田では10分の待ち合わせで最終のこまちに。この列車も非常に混んでた。こっちもおかげさまで、座れたけど、盛岡まで立ち客も結構いた。この調子だと、つばさのように近いうちに7両編成になる日もくるかもしれない。こまちは大曲で進行方向が変わるため、秋田では座席は全て後ろ向きになっている。大曲までなら、途中で座席を回転させるより、最初から逆向きにしていた方がよいだろうという判断であろう。
秋田ではまだ降っていなかった雨が、盛岡をでて、東北新幹線に入ると、ザーという音とともに、水滴が窓ガラスに真横に流れ出した。夕立らしい。遠くには稲妻も見える。そんな嵐の中を切り裂くように東京へ向かう。
かくして、足掛け4日の鉄も無事終了。東京は、すでに、星空が広がっていた。


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