井原鉄道&スカイレール&大阪モノレール彩都線
 〜 大通りより細道だ 〜


 8月7日、待ちに待った夏休みということで、またまた、鉄に繰り出す。今回の目的は岡山県の井原鉄道と広島の瀬野からでている、スカイレール。そして大阪モノレールの彩都線。きっぷは青春18きっぷ。(もう青春でもないだろう!ってつっこみが聞こえてきそうだが...)で、当然行きは「ムーンライトながら」と言いたいところだったが、指定券が仕切れず、品川発の臨時、ドン垣で行く。あ〜あ。いい歳してまだ、この列車に乗るかな?さすがに夏休みの土曜日で混んでるだろうと思って、出発の3時間前の9時頃、品川に行ってみた。もちろん、すでに待ってる人はいたが、そんなにすごくもなく、比較的、前に並ぶことができた。結局、入線までには結構列が長くなったが、来た列車は田町区の167系11両編成ってこともあって、ほぼ全員が調度座れるくらいで、大混乱はなかった。もちろん、発車間際や、川崎、横浜からの人は座れないけどね。それにしてもいつも思うんだけど、川崎や横浜から乗る人ってどういうんだろう。普通の通勤電車代わりに使う人はともかく、名古屋とかまで行く人って、絶対座れないに決まってると思うんだけど...。東京まで戻たって、たかが知れてるの に...。


 品川をでると、あっと言う間に日付変更線で8月8日。だらだらと熱海くらいまで起きてたかな?あとは夢の中。静岡と浜松の停車がおぼろげながら覚えているかなという感じ。目が覚めたのは本当に名古屋の直前。さて、列車は途中で定期の「ムーンライトながら」を抜かして、先に大垣に到着。これが良かった。接続の網干行は113系の7両編成だったけど、めちゃこみ。そりゃあそうだよね。臨時ドン垣11両と「ムーンライトながら」の6両を受けるんだから...。しかしながら、「ムーンライトながら」より先についてくれたおかげでなんとか座れる。米原で、後発の211系新快速姫路行きに乗り換える。この列車も結構混んでたなー。そうそう、書き忘れていたが、今回の鉄は新線を仕切る他に「大通りより、細道だ!」(大昔、JR東日本がそんな名前のキャンペーンをしていたなあ。)というコンセプトで進めている。そんわけで、相生からは赤穂線回りで岡山に行く。来た列車は播州赤穂行きなので、播州赤穂で30分待ち。ちょうど、NHK大河ドラマ「元禄繚乱」にあやかって、町は結構賑わっている。岡山からはまたまた、吉備線回りで総社へ。入線してきた列車は今や貴重品 、国鉄カラーのキハ58。やっぱりいいねえ。クリームに朱のツートンカラーは...。


赤穂線の115系 (播州赤穂駅) 国鉄標準色のキハ58 (岡山駅)

 総社からは、今回の目的の1つ、平成11年1月11日11時11分に開通した井原鉄道。18きっぷなので、井原鉄道の乗車券は別途購入しなければならないので、窓口で神辺(かんなべ)までの片道切符を買おうと思ったが、プラス40円で一日乗車券が買えるらしい。(総社―神辺 1,070円。一日乗車券1,110円)。別に途中下車する予定もなかったが、記念にもなると思ったので1日乗車券を買う。さて、さすがに全ての施設が新しくて気持ちがいい。車両に乗り込むとまだ、新車の匂いがする。最初に井原鉄道の開通の話しを聞いたときは今更こんなとこに鉄道なんか引いても乗るの人いるのかなあって思ってたけど、夏休みということもあると思うが、結構、乗っている。列車は新しい路盤の上を快調に進み、いつしか、私もその心地よい振動の中で、夢の中へと旅立った。気が付くと、井原。げっ。また新線で寝ちゃったよ。どうも、井原につく2、3駅くらい前から寝たらしい。井原からは気合を入れ直して、神辺まで行く。神辺は福塩線のホームの隣りにつくくせに、駅舎は別。一回、外に出なければならない。屋根もないので、雨の日なんかは傘がいる。しかも、JRは橋上駅舎 なのでわざわざ階段を登らなければならない。別会社だから分かるけどさ、新しく作ったんだからそこらへんはもうちょっと、考えてよね。まあ、朝、夕には何本かは福山までの直通列車があるのは救いだが...。でも、乗り換えるとはいえ神辺での福塩線との接続は比較的よい。10分くらいで電車がくる。神辺―福山間は福塩線の105系。福山からは一路、今日の最後の目的であるスカイレールのでている瀬野に向かう。山陽本線の広島方面行きは西条から快速運転で瀬野には止まらないので、白市で始発の各駅停車に乗り換える。 


井原鉄道 (神辺駅) 山陽本線 115系広島色 (白市駅)

 瀬野には夕方5時半に到着。右側斜面に、モノレールともリフトともロープウェイともつかぬ、レールが伸びている。あれか。スカイレールって。ちなみに駅は隣接しているが、駅名は「みどり口」になる。とにかく、乗り場へ。それにしても人っ子一人いないぞ。ちょっと不安。自動券売機で切符を買い、自動改札口へ。ところが、切符は飲み込まれてしまった。お、おい。って思ったけど、これでいいらしい。ホームへ行くと、よく、スキー場にあるゴンドラみたいなのが、入っている。とにかく乗り込む。しばらくするとブザーとともにドアが勝手に閉まり、すべり出してゆく。もちろん乗客は私一人。急斜面もぐいぐい登る。なるほど、こりゃあ快適だ。下には造成中の家が見える。ほどなく、中間駅に到着。ここでも勝手にドアの開閉が行なわれる。そして終点のみどり中央に到着。随分登ってきた。それにしても誰もいない。開発はまだ始まったばかりでまわりも空き地ばかりだ。しかし、もう何年もすると100万都市広島のベッドタウンとして賑わうのだろう。さて、帰りは下りになるので、急斜面を滑り下りていくのでちょっとスリルがある。また下ってくると高低差のため少し耳が痛い。 そんなこんなでスカイレールは無事仕切り終える。最後にこのスカイレール99年度のローレル賞受賞だそうです。やっぱりスカイレールって鉄道なんだね。思わず記念乗車券を買ってしまいまいました。相変わらず懲りないやつ。



↑車内の様子
←スカイレールの車両
/みどり中央駅の駅舎
↓みどり中央駅より、みどり口(瀬野)方面を望む。

 そういえば、山陽本線、瀬野といえば、瀬野―八本松間の連続勾配22.5‰の通称セノハチ。先ほどから後部にEF67の補機をつけたプッシュプルの貨物列車が何本か通りすぎてゆく。でもなかにはEF210の強力機による牽引で補機なしの貨物も何本か見受けられる。時代の流れとはいえ、鉄道の名物がまたひとつづつ消えてゆくのは少し寂しい。
 今日の予定はとりあえず、これで終了。かと言って、瀬野でブラブラしてても仕方ないので、広島へ。そこで、「大通りより細道だ」に従い、夕暮れの呉線へ。(別に洒落ではありません。でも洒落だったら夏でもさむー。)快速なので、呉までノンストップ。夕暮れの海岸線沿いを進んでいく。車内は夕方ラッシュ時でかなりの混雑だったが、呉、広を過ぎると、一気にすいてくる。三原についたころはすっかり暗くなっていた。三原では駅前で夏祭りをやっていたので、ちょっとのぞく。遠くでは花火もやってるようだ。三原からは広島からムーンライト山陽に乗るため、山陽本線で広島に戻る。


 臨時のムーンライト山陽はオリジナルの14系。途中、岡山でムーンライト高知、ムーンライト松山と連結する。指定をとっていたので、のんびりとホームへ。車内はほどよくうまる感じで私の席は通路側のC席だったので、窓側に誰かくるかと思っていたが、結局、だれも来なかった。おいおい、どんな指定券の出し方してるんだよ。だったら最初から窓側売ってくれよ。それにしても、ムーンライト山陽は冷房がききすぎて寒かった。車掌は上着きてるからいいけど、お客は皆半そでなんだぞ。


ムーンライト山陽 (新大阪駅)

 さて、その寒いムーンライト山陽を新大阪で乗り捨てる。目的は昨年10月1日に開通した大阪モノレール彩都線。とりあえず、地下鉄御堂筋線で千里中央へ。江坂からは北大阪急行になるので、運賃は320円と跳ね上がる。千里中央からは2区間で、彩都線の分岐駅の万博公園に到着。それにしてもここでの接続は劣悪を極める。大阪空港からのモノレールが入線する直前に彩都線はでてしまう。彩都線は20分間隔なので、かなりの待ち時間である。ホーム構造が2面3線で彩都線は中線を使用しているのだが、配線の関係から本線も彩都線も一度同じ線路を通らなければならないためであろうか? 


大阪モノレール 彩都線 (阪大病院前) 阪大病院前 駅舎

 さて、これで、今回の予定は全て終了。あとはひたすら東京に帰るだけ...。しかしそこは「大通りより細道」ということで東海道線では帰らない。とりあえず、大阪から、環状線、関西線経由の区間快速奈良行き。あわよくば、221系なんて甘い期待を抱いていたが、やってきたのはオレンジの103系。ふう(気落ち)。奈良では名物柿の葉寿司を買う。亀山行きの気動車の中で食べようと思っていた。ところが、西日本ご自慢の120系軽快気動車はなんと両側、前ドアから後ろドアまで25人掛けのオールスーパーロングシート!げっ!柿の葉寿司どうしよう。結局、食べれずじまい。関西線では一回、交換のためスイッチバック。夏休みのためか、車内は結構混雑、その上、ロングシート、さしずめ通勤電車の様相で亀山に到着。亀山でJR西日本と別れてJR東海に入る。JR東海で接続駅を受け持っているのは唯一この亀山駅だけである。亀山からは2両編成の213系。この電車はものすごく混んでた。とりあえず座れたけどね。そんなこんなで、朝から飲まず食わず、四日市を過ぎたころから、いよいよおなかがすいてしまい、がまんの限界に達し、かばんの中からごそごそと柿の葉寿司 を取りだす。でも普通の駅弁じゃなくてよかったよ。混んでる車内でも一個ずつ柿の葉に包んであって食べやすいし。で、今の時期って新の柿の葉で包んであるので本当に新鮮な柿の葉の香りがしてとてもおいしかった。まあ、おなかも減ってたしね。


 名古屋では小一時間あったので、さよなら0系のオレンジカードなるものを買ってしまったり、きしめん食べたり、お土産のういろうを買ったりして、のんびりと中央線のホームに行く。そう、「大通りより細道」の最後は中央線経由で帰るのだ。まあ中央本線を細道というは語弊がありそうだが、東海道本線よりは細いよね。特に中津川―塩尻間は。で、車両は211系かな。なんて思ってたら、最新鋭の313系。おお、ラッキー。ルンルンスキップでホームを行く(馬鹿)。でもなんか様子が変。えっ。運転見合わせ?!なにそれ?!よくみれば、私が乗ろうとしている1時間前の列車がまだ発車もせず、ホームにいるではないか!おいおい。ってとにかく、その電車に乗ってみる。とりあえず座れたのでそのまま待つことに。しかし、車内放送では「大曽根駅での人身事故があったため運転を見あわせております。復旧の目処は立っていません。」が繰りかえされるばかり。まあ、あとは帰るだけだからいいかってな感じでのんきに構えることにした。どれくらい待ってただろうか、そのうち、事故処理も終わり、出発出来るとの放送が入り、ようやく動きだした。のんきに構えてはいたんだが、実は ちょっと心配ごとが...。本来なら終点の中津川から松本行きに30分の余裕を持って接続する予定なのだが、時計をみるとちょっとぎりぎり、この後の電車では、かなりの時間があいてしまい、そうなると、東京まで帰りつくことも危ぶまれる。多治見を過ぎたころ、たまたま通りかかった車掌を捕まえて、尋ねてみると、松本行きには接続するとのこと。よかったよかった。かくして、1時間半遅れで中津川に到着。接続の松本行きはまたもや313系。これにはちょっとびっくり、中央西線を経路に選んだのも本当は消え行く、湘南色の165系に乗ろうと思ってたっていうのもあったので313系の新車で嬉しい半面、残念という複雑な気持ちになる。それにしてもあっという間に置き変わったな。もしかして、中央西線っていうか神領の165系って全滅なの?えーっ聞いてないよ!そんな事ないよね。でも本当に時間の問題なんだろうな。
 さて、列車は長野県に入り、木曽路を快調に進む。上松付近の寝覚の床では普通列車にも関らず、車掌が案内をする。やはり夏休みだからであろうか?洗馬をすぎると、まもなく塩尻。JR東海から東日本管内へと帰ってくる。塩尻ではおりずに、そのまま松本へ。松本では1時間弱あったので、ここでも、オレンジカードを買ったり、お土産買ったりして、時間をつぶした。


中央線で使用されている再新鋭の313系 (名古屋駅)

 オレンジカードで思い出したが、今回、大阪、岡山、広島に行ったけど、JR西日本は最近、ストアードフォアシステムのJスルーカードに力を入れていて、オレンジカードの種類があまりない。今回買ったオリジナルは岡山支社の「しまなみ海道開通記念」の2枚組みだけ。あとはどの駅に行っても同じデザインの1000円券(281系はるか)と3000円券(500系のぞみ)しかおいていなかった。もっともJR東日本でも首都圏管内ではイオカードが幅をきかせていて、オレンジカードはだいぶ影を潜めてきてしまっているけど...。それにしても、旅先での記念に全国どこでも使えるオレンジカードはとてもお気に入りだったにのちょっと残念だな。Jスルーやイオカードも全国共通になればいいんだけど。それは無理か...。
 あとは、今晩の晩ごはんの駅弁を買う。実は松本にはお気に入りの駅弁がある。以外と知られていないのだが、「月見五目めし」というプラスチック容器に入った弁当なんだけど、その昔、松本城の城主が城内での月見の宴のときに食した弁当をモチーフにした駅弁だそうで、茶飯の上に山菜、やまごぼう、竹の子。信州牛。ウズラのたまご。なぜか大きな海老など、山海の幸が沢山のっている。容器の釜飯の陶器と違ってプラスチック製で軽いし、蓋もついているので、うちに持ち帰って、ちょっとしたタッパー変わりにも使える。値段も消費税込みで820円。最近の駅弁の中では比較的安いほうである。松本に行ったおりには是非お試し下さい。とってもおいしいです。絶対お奨めの一品です。


 松本からは甲府行きの普通列車で中央東線を上る。中央東線と書いてしまったが、実は松本は中央線の駅ではなく、塩尻までは篠ノ井線になる。しかし、篠ノ井線なんて言ってしまうと、かえって混乱するので、松本駅でも「新宿方面 中央東線」「名古屋方面 中央西線」「長野方面 篠ノ井線」と「信濃大町方面 大糸線」と案内している。さて、甲府行きは夕方で車内はとても混んでいて、とてもじゃないけど、駅弁食べるどこではない。すぐにすいてくるかと思ったが、混雑のまま、塩尻から東へと向きをかえ、一路、東京方面へと進む。塩尻からは塩嶺ルートを進み、みどり湖をでるとすぐに全長6kmあまりの塩嶺トンネルに入る。塩嶺トンネルを抜けるとすぐに岡谷になる。鉄道は塩尻で中央本線が長野方面(篠ノ井線)と分岐するが、高速道路は岡谷で長野道と分岐し、岡谷駅付近の上空高くに、岡谷ジャンクションから別れた長野道の橋脚が現れる。初めて見る人にはちょっとびっくりするくらい高い。岡谷からは中央東線、最大のネックの単線区間に入る。特急が1時間に2本、普通列車も1時間に1本程度あるなかでの単線ではかなりやりくりが苦しいはずだが、下諏訪―上諏訪間の市 街地を通るため、複線用地を確保するのは困難なようだ。上諏訪をでると車内はだいぶ落ち着いてはくるが、それでも、ところ、どころに立っている人がいる。この電車は甲府まで行くのだが、私は小淵沢で始発の大月行きに乗り換えるために、一旦降りる。小淵沢からは115系横須賀色の6両編成。小海線からの登山客もかなりいたが、ほとんどはこの後にくるスーパーあずさに乗るため、各駅停車に乗る人はほとんどいない。結局、ガラガラで小淵沢を出発し、ようやく、松本で買った、弁当を食べることができた。大月につくと、東京近郊区間の路線図に入ってくるので、いよいよ帰ったきたという気持ちになる。藤野、相模湖と中央本線ではたった2駅の神奈川県下の駅をすぎると、高尾に到着。高尾からはお馴染みオレンジの201系。八王子まできたところで、名古屋から付きあってた中央線ともお別れ。横浜線へと乗り換える。夜の10時近くというのに横浜線って結構混んでるんだよね。7両編成から8両編成になってなおかつ、増結の車両が6ドアのサハ204というのも納得できる。
長津田からは東急田園都市線。地元の線だけど、長津田方面にはめったにいかないから、結構新鮮。こどもの国線のホームの奥には先日デビューしたばかりのこどもの国線専用の横浜高速鉄道のY001系が見える。
かくして、あしかけ3日の今回の18切符の旅もこれにて終了。当初の目的も無事達成。


YOKOHAMA EXPRESS TRAIN TRIP