瀬戸内マリンビューと宮島紀行
冬の18きっぷの季節も終わりに近づき、どこに行こうかと考えあぐねる。この時期は日が短いため、車窓を楽しめる時間帯が少ない。朝は7時近くまで暗いし、夕方は5時を過ぎると暗くなってしまう。せっかく行ったのに暗い中を延々と列車に乗ってるのもつまらないし、できれば、暗い時間帯は移動時間にあてたい。なんてことを思いつつも、結局、以前から乗りに行きたかった、呉線を走る瀬戸内マリンビューに乗りに行くことにした。
今回は仕事明けでそのまま直行。おかげで、予定より前の東京駅10時33分発の快速アクティーに品川から乗ることが出来た。品川からだが、グリーン車に乗るので、座れないことはない。しかも、この筋はE233系。今回、東海道線のE233系は始めての乗車だが、特にE231系と目立った違いはないというのが印象である。ブランチ代わりに仕入れた品川駅のにぎわい幕の内弁当をたなえて乗りこんだ。900円と1000円を切りながら、中身は松花堂弁当風になっていて、見た目もきれいで、美味しかった。
熱海からは沼津行。沼津からは富士から身延線へ乗入れる身延行。この車窓からはすばらしい富士山が見える。18きっぷで東海道線を下るたびにここを通るが、これだけきれいに見えたのは、本当に久しぶりである。富士からは島田行に乗る。数年前のダイヤ改正で熱海から浜松までの静岡地区は通しでの運転がほとんどなくなり、上りは興津で、下りは島田で後続を待たなくてはならなくなり、18きっぷで東海道線を上り、下りするのには少し時間がかかるようになった。
浜松、豊橋と乗り継いで新快速に乗る。豊橋では、おやつとも夕飯ともつかずの、駅弁「助六寿司」を買っておく。豊橋はいなり寿司が有名だが、前回買っていたので、今回は海苔巻の入った助六にする。ちょっと小腹がすいてきたので、席に座るやいなや、紐を解く。かんぴょうの細巻と少し甘めのいなり寿司に紅しょうがつく。これで570円という駅弁では格安な値段設定も嬉しい。
品川→熱海→沼津→島田→浜松→豊橋 | |
E233系 快速アクティー 品川→熱海 熱海駅 | グリーン車 E233系でもグリーン車が出来ました。 |
品川駅 にぎわい幕の内 | きれいな箱に入っています。 |
松花堂風の弁当になっていて見た目もきれいです。 | 211系 熱海→沼津 熱海駅 |
313系 三島→富士 富士駅 | 車窓から見た富士山 |
EF66 貨物 富士駅 | 211系 富士→島田 富士駅 |
211系 島田→浜松 浜松駅 | 211系 浜松→豊橋 浜松駅 |
豊橋駅 助六寿司 | かんぴょう巻が5つといなり寿司が4つ入っています。 |
豊橋からは新快速で大垣へ。さすがに新快速は速く、夕暮れの名古屋圏を突っ走っていく。大垣についたときはほぼ暗くなっていた。大垣からは117系で米原へ。以前は1時間に1本だったが、それが30分に1本で313系の2両編成になり、混雑が続いていたが、やっと30分に1本で、117系4両編成が使用されるようになり、少し余裕が出来るようになった。米原からは再び新快速に乗る。本来の予定より早い時間のため、本日の目的地の岡山へ行くための乗り継ぎが分からないので、携帯で調べる。一昔前までは重いのを我慢して小型の時刻表を持ち歩いていたが、今は携帯さえ持っていれば、事足りてしまう。便利な世の中になったものだ。それによると、姫路で山陽線を待つよりもそのまま播州赤穂まで行き、赤穂線経由で岡山へ行く方が20分程早くつくことが判明した。ということでそのまま播州赤穂まで行く。もっとも、調べなくても姫路到着時に車内放送で、同様の案内があったのだが。播州赤穂で待っていた最終の岡山行はサンライナーで使用される117系。ちょっと得した気分になる。
ようやく岡山に到着したのは22時40分。さて今日はここでホテルに入る。今回は駅から徒歩5分のサンルート。場所を確認するために改札口を出た正面にある地図を確認して、駅を出る。現在、再開発中で夏来たときとはずいぶん違った印象だなと思っていたのだが、どうも様子がおかしい。少し歩いてみたが、やはりおかしい。とりあえず、駅に戻って再度駅の地図を確認すると、なんと、地図の東西が実際とは逆になっているではないですか。そりゃあ地図的には東西南北が正しいのかもしれないけど、こういうところでは現地にそくして東西南北を書いてもらわないと。つまり、地図では東が右、西が左になるのだが、実地では右が西口、左が東口だったのである。仕切りなおして、東口を出ると、いつもの岡山駅だった。(笑) とりあえず、ホテルに無事チェックイン。明日も早いので早々にシャワーを浴びて、ベッドに入った。
豊橋→大垣→米原→播州赤穂→岡山 | |
313系 新快速 豊橋→大垣 豊橋駅 | 117系 大垣→米原 大垣駅 |
223系 新快速 米原→播州赤穂 姫路駅 | |
117系 播州赤穂→岡山 岡山駅 | サンライナー用の車両でした。 側面ロゴ |
翌日は岡山から広島へと向かう。朝食にと駅弁を買って、115系に乗りこむ。東京より西に位置する岡山は日の出がやや遅く、7時を回って、やっと明るくなってくる。倉敷では左側に夏に訪れた水島臨海鉄道のホームが見えてくる。えっ。なんとキハ20の国鉄色の2両編成がいるではないですか。とっくに引退していたと思っていたのだが、まだいたんだ。ということで、次回のターゲットが自ずと決まる。(笑)。セノハチを超え、広島に到着。
岡山→広島 | |
115系 岡山→広島 岡山駅 | 広島に到着です。 |
岡山駅 味折小町 | 松花堂風の幕の内になっています。 |
広島からは今回お目当ての瀬戸内マリンビューに乗る。呉線は全線電化路線だが、この列車はキハ47改造の気動車である。前面には船のオールと浮輪が付き、船のような丸窓も設けられている。先頭が2号車で自由席。後ろが1号車で指定席。今回はもちろん指定席をとっている。指定席の車内は海側はテーブル付きのボックスシート、山側はロビー配置になっている。それぞれ、1ボックスに1人づつ、または1グループが座る程度で、山側には誰もこなかった。指定席車の車内は、船室のように舵や羅針盤もある。一方、自由席車もそれらしく改造はされているのであるが、海側、山側ともにボックスシートになっているが、車端部はロビー風になっている。さて車窓であるが、海田市から山陽線と分かれて呉線に入るが、すぐに海岸線を走り、マリンビューという名の通り、車窓一面に海が広がった。
瀬戸内マリンビュー1号 広島→三原 | |
広島駅 駅名標 呉線は絵入りの駅名標になっています。 広島は原爆ドームです。 |
瀬戸内マリンビュー観光沿線MAP |
キハ47 瀬戸内マリンビュー 広島方 | 三原方 |
前面に船のオールと浮輪がついています。 | 側面の様子 |
船を模して丸窓になっています。 | 車内の様子(指定席) 海側はボックスシート |
山側はリビング配置になっています。 | 車端部はフリースペースのロビーになっています。 |
壁面には船の舵と丸窓 | 天井のレトロ調の扇風機 |
フリースペースにある羅針盤 | 壁飾り |
ドア上の路線図 | 車内の様子(自由席) |
車窓 ご覧のような瀬戸内海の風景が広がります。 | 三原駅 駅名標 |
三原に到着です。 三原方 | 広島方 |
側面の様子 三原方 | 側面の様子 広島方 キハ47 7001 |
車内にあった乗車記念スタンプ |
約3時間かかって三原に到着。在来線の三原駅は高架化された2面4線、その1番線に呉線が到着。すぐに折返しの瀬戸内マリンビュー2号として折り返していく。再び山陽線で広島方面へ下るのだが、若干時間があるので、駅の写真を撮ったり、駅弁を買ったり、お土産の干しダコを買ったり。駅弁は改札外のKIOSK、ホーム上のそば店、新幹線改札内の弁当屋の3箇所で売っているのだが、元々種類の多くない三原駅で、数が充実しているのはやはり新幹線改札内。ということで、駅員に頼んで弁当屋だけ行かせてもらって、浮城弁当を購入。三原駅から山陽線で再び、セノハチ越え。先ほどまで晴れていたのだが、急に曇り出して、雪がチラチラ舞い始めた。広島では降りずにそのまま、宮島口へ。
三原→宮島口 | |
三原駅 | 115系 三原→宮島口 |
三原駅 浮城弁当 | 容器は小さいですが、深さがあります。 またおかずも色鮮やかにぎっしり詰まっています。 |
宮島口と宮島を結ぶ宮島航路はJRで残る唯一の連絡線である。青春18きっぷでも乗ることができる。ところが、昨年の12月にJR西日本から宮島航路の子会社化が発表された。今後、18きっぷでそのまま乗れるのか、JRマークは消えてしまうのかなどまだ不明な点も多いがとりあえず、JR直営のうちに乗っておこう。ということで、きっぷ売り場で、常備軟券を買っておく。JRの連絡線は15分おきに、出発し、宮島の大鳥居の前を通るということで、人気がある。
せっかく宮島まで行ってるのだから、厳島神社にも参拝する。世界遺産になってからは始めての訪問で、中学2年の修学旅行以来である。当時、参道沿いの土産物屋でしゃもじを買ったことなど思い出しながら歩く。台風で何度か壊れてしまったが、その度に修復を重ね、今日見事な社殿を見ることができる。後世にいつまでも残して欲しいものである。
本当は宮島ロープウェイなんかも乗りに行きたかったのだが、さすがに3時を回ってしまい遅くなってしまったので、今回は断念。次回の楽しみにととっておくことにする。
安芸の宮島 | |
宮島口駅 | 連絡線のりば 宮島航路は2008年3月14日よりJRの直営から JRの子会社になります。 |
ななうら丸 | 宮島の大鳥居の前を通ります。 |
宮島桟橋 | 厳島神社 入口 |
海に浮かぶ大鳥居 | 本殿 |
ちょうど引き潮でした。 | 鹿がたくさんいます。 |
みやじま丸 | 宮島口に戻ってきました。 |
宮島観光を終え、広電宮島口で1日乗車券を購入して広電で市内へと戻る。この区間はJRと並走していているのだが、JRより駅数が多く、地元客をこまめに拾っていく。そんなに時間はないが、とりえず、全線に乗ってみよう。ということで、路線図とにらめっこしながら、乗り潰す。15年程前にも乗り潰したのだが、もうすっかり忘れてしまっており、久しぶりに乗る広電は本当に新鮮にうつる。しかも、車両も連接車から単車。旧型車から新型車までとバラエティーに富んでいて、こちらも興味深い。広島は東京に比べてかなり西に位置しているために日の入りも遅い。17時半頃に暗くなった。本当はアストラムラインにも乗りたかったが、こちらも今回は見送り。広電も、もう少し明るい時間帯にじっくり乗ってみたいということで、またいずれ広島には来よう!
広電 | |
広電宮島口 | 3800形 3802 3両連接車 |
3900形 3901 3両連接車 | 3950形 3952 3両連接車 |
3950形 3955 3両連接車 | 5000形 5011 グリーンムーバー |
5100形 5105 グリーンムーバーMAX | 5100形 5110 グリーンムーバーMAX |
700形 714 | 800形 808 |
1900形 1904 かも川 元京都市電 | 1900形 1906 西陣 元京都市電 |
1900形 1907 銀閣 元京都市電 | 1900形 1908 あらし山 元京都市電 |
1900形 1910 金閣 元京都市電 | 1900形 1915 鞍馬 元京都市電 |
750形 761 元大阪市電 | 750形 762 元大阪市電 |
750形 768 元大阪市電 | 570形 582 元神戸市電 |
広島20時22分の三石行で岡山へ戻る。発車間際に乗ったため、車内が混雑しており、座席にもつけずだったが、途中の瀬野で座れた。岡山到着は23時05分。今夜も連泊のサンルートに泊まる。
広島→岡山 | |
広島駅 | 103系 |
105系 | 広島駅 しゃもじかきめし |
しゃもじ形のプラ容器に入っています。 | かきめしには大きなかきが4つ。かきフライが2つ、さらに かきの酢味噌和え(1つ)と7粒が入っています。 その他にかきめしの中には刻まれたかきが炊き込まれています。 駅弁ながらかきを堪能できる一品です。 |
翌朝は6時に起床。6時半に出立。岡山の路面電車、岡山電気軌道に乗る。運転士からスクラッチタイプの1日乗車券を購入。まずは1系統の東山へ行く。再び、岡山駅に戻って、今度は2系統の清輝橋へ。東山行は多くの通勤客や学生が乗るため岡山駅前の電停には長蛇の列ができているのだが、2系統はそれほどでもなく、本数も10分に1本程度である。こちらもMOMOやKUROなど早朝のため乗れなかったので、また今度の楽しみにしておく。
岡山電気軌道 | |
7300形 7302 | 7900形 8501 |
7500形 7501 | 7000形 7001 |
7200形 7201 | 7900形 7901 |
7100形 7102 | 7900形 8101 |
7600形 7601 | 岡山駅 |
さて、あとは、ひたすら東京を目指して帰るだけ。少し早めだが、明日は仕事だし、そのまま寄り道せずに帰ることにする。岡山で朝食の駅弁下津井旅情を買って乗りこむ。東京まで乗り継ぎで12時間。やっぱり遠いなあ...。まあのんびり帰ります。
ということで、今回の鉄も終了。瀬戸内マリンビューに乗るという最大の目的は無事達成できたが、宮島ロープウェイ、広電、アストラムライン、水島臨海鉄道キハ20と今後の課題を残す鉄ともなった。なんかちょっと消化不良気味だが、また次回の楽しみということにしておくことにする。
岡山→相生→姫路→米原→大垣→豊橋→浜松→静岡→熱海→東京 | |
岡山駅 下津井旅情 | ばら寿司に瀬戸内海のおかずがたくさん入っています。 |
115系 岡山→相生 岡山駅 | 223系 相生→姫路 相生駅 |
223系 新快速 姫路→米原 米原駅 | 117系 米原→大垣 米原駅 |
姫路駅 おかめ弁当 | 御飯の上にいろいろな具が乗っています。 |
樽見鉄道 大垣駅 | 313系 新快速 大垣→豊橋 大垣駅 |
311系 豊橋→浜松 豊橋駅 | 313系 浜松→静岡 静岡駅 |
313系 静岡→熱海 熱海駅 (行き先は折返しの浜松になっています。) |
伊豆急8000系 河津バガデル公園号 熱海駅 |
静岡駅 元祖鯛めし | すこし甘めの鯛そぼろにたくあん、紅生姜がついています。 |
E231系 熱海→東京 熱海駅 | 最後はいつも通りグリーン車です。 |
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