春咲鉄2003  〜JR東日本パスを利用して〜


JR東日本完全民営化記念。お客様感謝月間ってことで土日の2日間、JR東日本管内乗り放題のJR東日本パスなるものが12000円で発売された。これって、鉄しなさいってことでしょう。(笑)。指定券は2日間用で計4枚までしかとれないので、指定を取っておくべき列車を選定する。とはいうものの、最近の鉄はいつも間際になって予定を組むので、人気列車の指定はほとんどの場合がとれない。今回も3月1日午前中の下りの「はやて」はすでに満席状態であるため、ルートを新潟、羽越本線周りで青森まで行くことにする。
まずは愛称が「あさひ」から「とき」に変わった上越新幹線で新潟へ向かう。この列車も当然のことながら指定が取れなかったので、早めに東京駅に向かう東京駅5時半前、まだ新幹線改札口は閉まっているのだが、すでにその前に長蛇の列。なんじゃこりゃ。やっぱり東日本フリーパスってすごい集客力。そりゃそうだ。ものすごく安いもんね。5時30分になって改札開始。それぞれ、ホームに走り出すが、どちらかというとやはり東北ホームに行く人が多く。上越ホームへ行く人の方がやや少なく安心する。とりあえずは列の前の方に並ぶことができて一安心。始発のとき301号は10両編成。はやて用のE2系を使用する。5時半過ぎの東京はまだ暗いが、だんだんと空が黒から紺色に変わってゆき、丸ビルのシルエットも次第にはっきりみえてくるようになってきた。やまびこに引き続いてときが入線。無事窓側の座席をGET。やまびこを2本出したあとに出発したが、はやり車内は立ち客が多数でる状態。上越新幹線だけのことはあって、旅行者のほかに、スキー客もかなりいる。車窓はといえば、春鉄と書いたものの、大清水トンネルを抜けて、越後湯沢に到着すると一変して銀世界に変わる 。続いて浦佐でもスキー客をおろし、幾分、車内を軽くして長岡へと進む。長岡に入ると雪はほとんどなくなり、常連客を加えてまた車内は混雑して終点新潟へ。

とき301号 新潟駅 はやて用E2系を使用。 いなほ1号 新潟駅
きらきらうえつ弁当 中身は900円の割には筋子も入っていて結構豪華です。

さて、次のいなほが問題。この列車も指定がとれずにいたのだが、とりあえず、空いていた鶴岡−秋田間の指定席だけ押さえておいた。ときの乗車率からみて新潟からの着席はほぼ諦める。予想通り、いなほの自由席はすでに満席。座れないと決まれば、もうこっちもかえって気楽なもんで、ゆっくり写真を撮ったり、この日はちょうどSLの運転日であり、ホームでオレンジカードの発売なんかもしていたので、上越新幹線開業20周年のセットなんかを買ってしまう。そして自由席側のデッキにはすでに乗る余地もないので、指定席側のデッキへ行ってみる。ここすでに、先客がいるがなんとか乗り込む。ここから鶴岡までの2時間弱はこのデッキで過ごす。さすがに疲れてきたなという頃に鶴岡に到着。押さえておいた指定席に座る。喫煙席だが、仕方あるまい。そして、朝から飲まず食わずでお腹もすいてきたころ、酒田に到着。グッドタイミングに駅弁を積み込んで車内販売が始まり、さっそく、きらきらうえつ弁当を購入。本当なら羽越本線は日本海のすばらしい車窓が拝めるところだったのだが、鶴岡までは立ちだし、鶴岡からも山側の席だったので、日本海をあまりみることもできずにちょっと がっかりしていたのだが、その代わり、真っ白に化粧した雄大な鳥海山を見ることができ、それはそれでまあよしとしよう。さて、列車は秋田に到着。次なる難関は青森行特急「かもしか」。青森までは4時間近くあるので、なんとしても座りたいものだ。とにかく、いなほをおりてすぐさま、同じホームのかもしかの列に並ぶ。かもしか3号は青森からのかもしか2号の折り返し運転で、まだ入線していない。発車の15分ほど前に青森方から入線。乗客を下してから車内清掃、そして乗車。半車グリーン室で限られた座席数しかないなか、なんとか窓際座席に座ることができて、ほっと胸をなでおろした瞬間。あっという間に立ち客で通路は埋まってしまった。しかしさあ、さっきの「いなほ」といい、この「かもしか」といい、こんなに混雑させといたら、お客様への感謝がかえって仇になるんじゃないの?東日本様。いなほも増結なしの6両編成だったし、かもしかにいたってはたったの3両。ちゃんと需要予測をして増結しようよ。まあ、東日本パスの乗客はある程度覚悟の上だから仕方ないかもしれないけど、一番かわいそうなのは何も知らない地元の利用者だよね。毎週、大館から八戸の実家に行く という女性の話によると普段はガラガラで、なんでこんなに混んでるか分からなかった。これから3週間どうしようと話してくれた。さて、座った安堵感からか、今朝早起きしたせいか、いつのまにか寝てしまい、起きたのは大鰐温泉近く。あたりは一面の銀世界になっており青森にきたことを実感する。車窓には優麗な岩木山を眺めながら、超満員のかもしかは弘前に到着。ここで立客の半数くらいが降りていくが、逆に弘前からも地元利用者と思われる人が乗ってくる。車内の異常とも思える混雑に、一様にぎょっとしているようだ。しかし弘前までくれば、青森はあと少し。新幹線の駅が設置される予定の新青森も通過するが、まだ全然、工事が始まっているどころか、本当にこんなところに新幹線が来るの?というような場所である。新幹線がくればこの辺の景色も一変するんだろうけど....。さて、難航苦行の旅もいよいよ終点青森に到着。青森駅は雪の中よろしく線路にはかなりの雪が残っている。

かもしか3号 青森駅 つがる94号 青森駅
789系と485系3000番代 789系スーパー白鳥

さて、とりあえず、かもしかの写真でも撮ろうかなって思っていたところへ、またまた後輩と遭遇してしまう。本当に彼には思いがけないところでよく遭遇する。明日の予定を聞くと、やはりというか、自分の同じ長野へ行くという。(笑)このあと、お互いにスーパー白鳥を見送って、後発の臨時のつがるに乗る。スーパー白鳥はものすごい混在だったが、青森発の臨時つがるはまだ余裕あるようで、席取り合戦もなくゆっくり車内へ。それでも発車時間になるとそれなりに座席は埋まってしまった。彼はこのあと小牧温泉に行くというので、明日長野で会おうと三沢で別れた。さて、八戸に到着して、さきほど、先発した789系スーパー白鳥で青森まで引き返すいわゆる特急遊びを決行する。

スーパー白鳥30号 八戸駅 ドア横の津軽海峡のデザイン
あけぼのとも並びます。青森駅 青森に停車中のスーパー白鳥

なんといっても今回最大の目的の1つがJR北海道の新車の789系に乗ることだったのだ。車内は白木を使って落ち着いた雰囲気ではあるが、最新特急車両だけのことはあって快適だし、まだ少し新車の匂いが残っているせいか、いかにも新車というイメージである。思えば、こうして本州でも北海道の車両に乗れるようになったんだなとしみじみと感じいりながらだんだんと暗くなっていく車窓をぼんやり眺めながら青森まで戻る。青森ではすっかり暗くなり、おなかもすいてきたので、さきほど、八戸で仕入れておいて食べそびれていた「うに釜めし」を食べることにする。さて、どこで食べようか、ベンチは寒いし、今度乗る白鳥は函館からくるので、入線にはまだまだ時間があるしと思っていたら、発車までまだ1時間近くもある弘前行の701系の普通電車が止まっていた。早速ドアボタンを押して車内にはいって、ロングシートに腰掛けながら腹ごしらえをすます。白鳥到着までまだ少し時間があるようなので、一度改札口を出て、お土産物やオレンジカードを物色するが、昨年秋にきたときに、すべて買ったものばかりで新柄はなく、再びホームへと戻った。ようやく白鳥が入線してきて、座れ るかどうかちょっと心配だったが、ほとんどの乗客は青森で降りてしまい、ガラガラでの出発となった。

ライトアップされた青森ベイブリッジをバックに 新型車両には珍しいヘッドマーク。やっぱりヘッドマークっていいものです。
うに釜飯 中身はうにとほたてが敷き詰められています。

再び八戸に戻って、今度は東京行きの最終のはやてで上野を目指す。この列車も、午前中に乗った列車の混雑が嘘のようにすいていた。盛岡や仙台からもそんなには乗車がなく、結局、上野まで3列のシートを独り占めにして帰ってきた。ところで、鉄してる最中は他にやることもなく、なぜかおなかだけがすくもので車内販売でまたまた駅弁を買ってしまった。(汗)自分としては珍しく肉がメインの倉石牛めしを購入。ボリュームはあるが和風の味付けであっさりした印象である。さて、上野を23時に降りて何をするかと言えば、当然、能登に乗り継ぐのである。上野では、一度改札口を出て修復されたばかりの猪熊弦一画伯の壁画をちらりと眺めたのち、特急ホームへ行く。

倉石牛めし こちらもご飯の上にぎっしりと牛肉が敷き詰められています。
はやて30号 八戸駅 上野駅 修復されて美しく甦った猪熊弦一氏の壁画

ほどなく489系ボンネットタイプの国鉄特急色の入線。現在、首都圏でこのボンネットタイプの国鉄特急色が見られるはこの能登だけになってしまって、非常に貴重な存在と言ってもよいだろう。具体的な置き換え等の計画はまだ決まっていないものの、あとどれだけこの姿が見られるのか、とにかくそう長くはないことはたやすく想像できよう。さて一応夜行ということで、万が一のことを考えて座席指定をとっておいたが、その必要もなかったらしく比較的すいている。もっとも、自分の乗った指定席は1人連れなら隣はこないというくらいには席は埋まってしまった。能登は12月の改正から発車時間が30分早くなり、停車駅も大宮、高崎と絞られてしまい、かつての最終ホームライナー的な役割はなくなってしまった。その分、自由席での旅行者と通勤者の呉越同舟状態がなくなり旅行者はゆったりすることができるようになった。しかし、単純に通勤者の利用がなくなった分だけ利用者が少なくなったわけだ。ということは廃止という選択も出てきそうでちょっと怖い。外はかなりの雨。そういえば、さきほどの「はやて」の車内のLEDでも大雨の影響で東海道線の戸塚ー大船が不通ってでてた よな。能登の方はそんな雨の中をだらだらと進み。1時すぎに高崎をでると車内は減光次の停車駅は直江津になる。本当は寝とかなきゃと思うのだが、結局あまりというかほとんど眠れず。ぼんやり夜の車窓を眺めて過ごす。土合のトンネル駅を通過し深夜にも関わらず越後湯沢のスキー場のナイター照明が灯っている。長岡からは信越線を折り返すので進行方向が逆になるが、深夜でほとんどの乗客が寝ているため座席の転換も行わず、そのまま逆方向に進む。そして午前4時13分。まだ真っ暗の直江津に到着。こんな時間に降りるのって俺くらいかと思っていたが、乗客の半数近くが降りてゆく。やっぱり東日本パスなのかと思っていたが、大半の客はそのまま改札を出て目的地へと散っていってしまったので、鉄というわけでもなさそうだ。

急行能登 今なお489系ボンネット型国鉄特急色が上野に乗り入れる
貴重なシーン。いつまでこの光景が見られるか...
急行金沢行の方向幕 雨に濡れているサインもまた赴き深いものがある。
直江津に到着 ラウンジ&コンビニエンスカー健在。
ちょっとボケてしまってすみません。(汗;)

さて直江津でもまだかなりの雨が降っていたが、気温は思ったほど低くなく強い風もどちらかといえば生暖かい感じがしないでもない。そんな中1時間ほど、次の快速妙高を待つ。ホームの目の前の車庫ではその妙高に使用される189系がすでにスタンバッっている様子。発車30分前の5時頃ようやく転線してホームに入線してきた。あさま色の6両編成の189系。後ろ1両だけ指定席だが、なんとその指定席のみ簡易リクライニングシートで、あとの自由席はもとグレードアップ車の座席を使用している。ん?これって逆じゃないの?ま、自分は自由席だから、いい座席に腰掛けることができたのだが...さて妙高に乗ったはいいが、昨晩のほとんど寝てないので、長野までの行程はほとんど記憶がない。気が付いたのはすでにあたりも明るくなって北長野の手前であった。今日の目的は長野で長野電鉄の10系OSカーのさいなら運転に行くことなのだが、まだ午前7時。かなり時間が早い。ということで時間潰しをかねて上田交通へと向かう。その前に腹ごしらえ。しかし、新幹線の発車まで10分。上田までの乗車時間も10分。この間にどうやって、食事をしようか・・・とにかく、新幹線ホー ムで山菜栗おこわを購入。すぐに、あさまに乗り込んで、発車前から弁当をたいらげる。なんとか上田到着までにすませるという超慌しい朝食を頂く。上田からは乗る人はいるが、降りるのは俺一人。(笑)。

直江津駅 駅名標。
感覚的に信越線の春日山が下の方がしっくりくるのだが、
わざわざ上にしてるのは自社線だからであろうか?
(谷浜は北陸本線でJR西日本の管轄になる。)
直江津にくると必ずこの写真をとります。
西日本との境を実感させる車両が留置されています。
ちょうど小浜線電化のヘッドマークがかかっています。
189系 快速妙高 直江津駅 あさま550号 あさまタイプのE2系は従来通り赤帯のままです。
山菜栗おこわ 竹かごと笹にくるまれた栗おこわ とても素朴で長野らしい駅弁です。

こちらも発車まで5分しかないので、上田交通のりばへ急ぐ。思えば、新幹線開業後初めて上田に来たのだ。新幹線ホームから階段を駆け下りて、改札口を抜けるとそこは1階、そこからしなの鉄道、上田交通別所線の案内に従って、再び、階段を上り手前がしなの鉄道、奥が上田交通。上田交通は昔は地平から出ていたが、新幹線が出来たのを気に駅ビルの2階部分に乗り入れるようになったようだ。それはそれでいいとして、乗り換え客にどうして、階段を上ったり降りたりさせなくてはならなかったのだろう。新幹線のコンコースを2階に作っておけばすんだような気がするのだが...さて、時間もないので、券売機で別所温泉までの切符を買って、元東急7200系に乗り込んだ。上田交通も東急グループなので、側面の朝顔マークもついており、前面と側面の黄緑と緑の帯がなければ東急そのままである。まもなく出発になるが、思えば上田交通に乗るのは12年ぶりくらい。まだ東急5000系が活躍している時代であった。乗客は朝7時台の下り列車ということもあって、自分を含めてわずかに3人だったが、2人とも途中駅で降りてしまい、途中からは自分一人になってしまう。別にちゃんと切 符買って乗ってるんだから堂々としてればいいのだが、こういう状況ってなんかいづらいものである。途中、下之郷では日本初のステンレスカーの5200系が倉庫として留置されおり、また次の中塩田にも旧型電車(丸窓)が留置されていて、時間があったら、下車してゆっくり見学してみたいものである。終点間近に再び2人の乗車があり、結局3人で終点別所温泉に到着。折り返しはわずかに4分。もっともっゆっくりして1本落としたいところなのだが、こうすると本日のメインイベントの長電OSカーに間に合わなくなってしまう。とりあえず、美しく修復された丸窓電車の写真を大急ぎで撮影。再び、電車に乗ると、運転士から、まだ発車まで時間があるので、駅の券売機で切符を買うように言われるので、券売機へ行って、500円硬貨を投入するがいくら入れても戻ってきてしまう。よくみると、新500円硬貨は使えませんとのこと。まじかよ使えねーぜ!しからば、1000円を入れてみる。あいにく、ピン札なもんで、こちらも戻ってきてしまう。ちょっと焦ったが、これで、買えなかったらそのまま電車に乗っちゃおうともう1度1000円札を入れたらなんとか受け付けてくれた。とま あ、慌しく折り返してくる。帰りは、各駅から、乗車があり、上田につくころには、立ち客もちらほら出るほどになった。上田について、切符売場をみれば、往復運賃で1日乗車券の発売があったようだ。これにしておけばよかったと思ったが、あとの祭り。今度来るときにはもう少し時間をとって訪れよう。

上田交通7200系 上田駅 別所温泉に到着
綺麗の塗装された丸窓電車こと5250形 丸窓の由来になった戸袋窓に注目です。
下之郷に留置されている日本初のステンレスカー元東急5200系 上田に戻ってきました。折り返しは下之郷行です。
側面に東急マーク。上田交通も東急グループです。 上田駅 新幹線、しなの鉄道、上田交通の合同駅舎です。

上田交通での時間潰しを終えて再びあさま1号で長野へ向かう。長野についたら、早速、地下の長電のりばへと急ぐ。記念の1日乗車券を購入するためにすでに長い列。昨日会った後輩とも再び落ち合いここから行動を共にする。1日乗車券には特急料金が含まれているので、特急で須坂へ向かう。この特急用の長電オリジナルの車両もだいぶくたびれてきているしこの先どうなるかちょっと心配である。須坂につくとすでにお目当ての10系OSカーは入線しており、鉄道ファンに取り囲まれている。こちらも遅れをとらないようホームへと急ぐ。とりあえず、屋代まで立って行くのは大変そうなので、まずは座席だけは確保しておく。そのあとはお決まりの撮影。だが、人が多いのと、日陰の関係であまりよくはとれなかった。さよなら運転なんていいながらも自分自身はこのOSカー自体に初めて乗るので今日が最初で最後ということになる。約40分ほどで屋代に到着。さて写真。とホームに出る。最初は皆、ホームから撮影していたが、いつしか、ホームから降りて撮る人がでてきた。おいおい、そういうのってありかよと思っていたが、長電の人も黙認しているようだ。そうなると、次から次へとほ とんど全員が、線路に降りていく。結局、自分も降りてしまった。やっぱりいけないのかな???ちょっとだけ罪悪感を抱きながら、撮影をする。しかし、皆、撮影マナーは比較的よく、罵声等がなかったのが救いだった。さて、折り返し、屋代を出発する時刻になり、車内放送で、「この電車、屋代駅、最後の発車となります。」とアナウンスが入る。そういうことか...。ちょっと感傷に浸る。再び須坂に戻り、このOSカーはこのまま湯田中へ行くそうだが、ずっと乗っていても仕方ないので、ここで降り、特急で長野へ。

D型硬券の1日乗車券 この日に限り全線1100円でした。 特急車2000系
10系OSカー 須坂駅 対向ホームから 須坂駅
屋代到着
車内の様子 10系電車の乗車証明書

長野からはしなので松本に。しなのは長野−名古屋間を走っているが、ほとんどの客が長野−松本間の利用と松本−名古屋間の利用者に完全に分かれる。篠ノ井線に入ると、姨捨に向けて序々に高度を上げてゆき、更埴平を俯瞰する眺めになりあたかも遊覧飛行をしているような感じである。50分ほどで松本に到着すると、予想通り、自分達も含めて、大半の乗客が降りる。そして、松本からは「はまかいじ」で横浜へ向かう。元々指定を押さえてあったのだが、後輩も一緒に乗ることになり、自分の隣の席を発券してもらったそうである。そんなこと出来るんだ...とちょっと感心。はまかいじまではちょっと時間があるので、ここで、長野県界隈には多数存在するチェーン店のテンホウというラーメン屋に入る。この店。どういうわけか、異常に安い。味もまずまずなので、お奨めである。でもって、その中のお奨めメニューはなんといってもタンタンソフト。タンタンメンとソフトクリームのセットなのだが、このよく分からない組み合わせがなんとも面白い。食事も終わりブラブラ駅に戻りがてら、松本運転所なんかを覗きながら西松本を経由して西口まで歩く。

383系しなの14号 長野駅 名古屋方は貫通タイプです。

オレンジカードを買ったりしている間に、ほどよい時間になっており、ホームについたころにちょうどはまかいじが入線してきた。定期あずさの続行運転ということで、松本ではガラガラの出発。やっぱりはまかいじは甲府からでいいんちゃう?つうか松本からなら「はまあずさ」にすればいいのに...。この「はまかいじ」は元をたどれば、その昔、日曜日の夕方下りのみ新宿、蛇窪経由の横浜行あずさだと思われる。その当時、横浜行のあずさが日曜日の下りしかなかったのは、平日は新宿―横浜間は湘南新宿ライナーとして運転されるからである。かつて一度だけ横浜まで乗ったことがあったが、新宿までは普通のあざさ同様。それなりの乗車率だったが、新宿―横浜間はひどいものであった。現在の「はまかいじ」はその進化系として、新宿を通らず横浜線経由になって横浜までの時間短縮を実現した臨時特急である。車両は踊り子で使用される田町区の185系。窓は開くが、近年座席は転換クロスシートからフリーストップのリクライニングシートに取り替えられて居住性もやっと特急列車らしくなった。
さて、松本を出発し、車窓の方は昨日の雨のおかげで空気がものすごく澄んでいるせいか、南アルプスや八ヶ岳、そして富士山までがものすごくきれいに見える。中央東線には今まで何度となく乗っているが、本当にここまできれいな山々の景色をみられたのは初めてである。しかし、この特急はよく停まる。特急停車駅は下諏訪以外は全て停まる感じだ。ガラガラだった車内も甲府からほぼ座席が埋まる程度に席が埋まる。やっぱり「はまかいじ」だけのことはある。しかし、本当にこの特急遅いよ...いい加減しびれがきれかけてきたころに八王子に到着。ここから注目の本線横断をして横浜線へと入っていく。八王子でかなりの人が降りるのではないかと思い気や、ほとんどの乗客が横浜方面へと向かうようで、この「はまかいじ」もだいぶ定着してきたとこなのだろう。横浜線に入っての停車駅は橋本・町田・新横浜・横浜であるが、普段特急など走っていない線区なので、結構誤乗がある。知らないで乗ってもばっちり500円の特急料金を請求されるのはちょっと気の毒だが、205系とは明らかに違うわけだし、分かりそうなものだけど...。横浜で今回思いもかけず一緒に鉄することになっ た後輩と別れ、最後の行程へ。

185系はまかいじ 松本駅 側面方向幕 「特急はまかいじ」とあるだけで
行先の「横浜」の表示はありません。

といっても、特急遊びみたいなもので、大船まで踊り子を迎えに行く。土日ということで今日は比較的遅い時間まで臨時の踊り子が運転されているのである。その前に、どうせ、家に帰っても食べるものはないし、横浜で名駅弁の1つである崎陽軒のシウマイ弁当を購入しておく。大船から東京までは40分あるので十分車内で食べる時間はある。と思っていたのだが、意外にも踊り子188号は結構混雑している。しかも大船駅では乗車位置の案内もなく、自由席の位置を探してしまった。とりあえず、喫煙車に空き座席を見つけた。しかし、普段、禁煙車ばかりに乗っているので、喫煙車ではかなり煙草の煙が気になる。最近、JR各社が禁煙席を増やしているのもうなずける。ということで、最後はシウマイ弁当を食べながら、東京到着20:00。今回の鉄も無事終了とあいなった。

横浜といえば崎陽軒のシウマイ弁当 シウマイは5つ入っています。今でも人気NO1駅弁の1つです。
185系踊り子188号 東京駅

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